金本、自分で止めた連続フルイニング記録
2010年4月19日
「最後まで、監督もヘッドも『出てくれや』という感じだったけど、これ以上出てもチームに迷惑をかけるし、特にピッチャーに、あのスローイングじゃ、迷惑をかける。『勝つための手段として、僕は外れる』ということを伝えた」。試合後、バスへの通路を歩きながら、金本は穏やかな口調で舞台裏を明かした。
試合90分前、三塁側ベンチ裏が急に慌ただしくなった。打撃練習後、金本は左翼の守備位置で木戸ヘッド、トレーナー陣と痛めている右肩の現状を確認。その後、真弓監督が、トレーナー室で治療を受ける金本のもとへ向かった。この時点で指揮官は「もうちょっと頑張ろう」と鼓舞。金本はグラブを携え、駆け足でブルペンへ向かった。「最後の悪あがきでね。テーピングをして、あれしてみたけど…。でもダメだったから、そこで(最終的に)決めた」。患部をテープで固定し、強めの送球を試みたが、右肩はもはや言うことをきかなかった。
3月29日、MRI検査で棘上(きょくじょう)筋の部分断裂が判明した。右肩の持病が3月中旬の守備練習中に悪化。結局この負傷がフルイニング出場を続ける上で致命傷になった。電気、針…あらゆる手段で治療を試みたが、試合に出場しながら快方を促すには限界があった。それでも、ここまで打撃では3本塁打を放つなど奮闘。問題は守備だった。
「悔しかった」。金本が「決断」を下すきっかけになったのは14日の巨人戦(東京ドーム)。五回、亀井の左犠飛を捕球するも本塁返球できず、山なりのボールを内野に返すのが精いっぱい。前日(17日)も得点圏で2度、本塁返球を自重した。前夜、金本は“明日の練習でだめなら…”と「覚悟」を決めた。
逆転した八回。追加点を奪うべく「代打金本」がコールされると、万雷拍手が打席に注がれた。結果は二ゴロ。それでも、スタンドは金本の功績を大歓声でたたえた。
金本が11年ぶりに羽を休めた。ベンチからの風景を眺めながら、金本は“次”を模索していた。シーズン中に手術を受けるつもりはない。連続試合出場は1638に伸びた。代打出場を続けながら、再びフルイニングの舞台に戻ってくる。「鉄人」の魂は、永遠だ。
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