21世紀枠に敗れ「末代までの恥」…世間を揺るがした大騒動

2010年の選抜高校野球、第1試合で向陽(和歌山)に惜敗した開星(島根)の野々村直通監督が試合後に「末代までの恥」などの問題発言を連発し、世間を巻き込む事態に発展しました。あの大騒動を振り返ります。

公開日:2017.7.11

2010年選抜高校野球で“事件”は起こった

 2010年、第82回選抜高校野球大会・第2日。第1試合で36年ぶりの出場となった21世紀枠・向陽(和歌山)が強豪の開星(島根)に競り勝ち、45年ぶりの初戦突破を果たしました。

2010年3月23日デイリースポーツ紙面

しかし大きな注目を浴びたのは勝者ではありませんでした。敗退した向陽の野々村直通監督が、試合後に問題発言を連発したのです。

2010年3月23日デイリースポーツ紙面

【2010年3月23日デイリースポーツ紙面より】 第1試合で向陽(和歌山)に惜敗した開星(島根)の野々村直通監督(58)が、試合後の公式会見で前代未聞の問題発言を連発した。
(中略)
 「もう野球をやめたい。死にたい。腹を切りたい。こんな試合にしかならないのは監督の力が足りないということ」。さらに、敗戦の責任を背負い込み「21世紀枠に負けたのは末代までの恥。全国に恥をかいた。こんな恥をかくことは二度としたくない」とまで言い切った。
(中略)
 公式会見後、地元テレビ局からのインタビューも拒否した。「もう野球の話はしたくない」と、控室のベンチに座ってふさぎ込んだ。
 自身のふがいなさを責める思いから生じた言葉だったが、21世紀枠という選抜独特の趣旨に批判的とも受け取れる発言。公の場での発言ということもあり、大きな波紋を広げそうだ。

ベンチから選手に指示を出す開星・野々村監督=2010年3月22日

前代未聞の出来事に、高野連もすぐさま動きます。

【2010年3月23日デイリースポーツ紙面より】 野々村監督の発言について、日本高校野球連盟の小森年展事務局長は「私どもが取材現場にいて直接聞いたことではないので何とも言えない。しかし、そういう発言があったのなら、島根県高野連を通じてすぐに事実確認をしたい」とコメントした。早急の処分などについては触れなかったが、21世紀枠の存在を否定するかのような発言だけに、事実関係によっては何らかの対応に踏み切る可能性もある。

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