CS“泥試合”で注目…阪神園芸のスゴ技を振り返る
15日のセCS阪神-DeNA戦は、壮絶な死闘とともに懸命なグラウンド整備を行った阪神園芸に注目が集まりました。降りしきる雨と“ぬかるみの世界”の中、試合を成立させた職人たちのスゴ技を振り返ります。
公開日:2017.10.17
CSファイナルS進出を懸け、初戦に勝利した阪神はDeNAとの第2戦を迎えた。断続的に降り続く雨の影響で、予定より1時間3分遅れて試合開始した。
秋山が初回を3者凡退 雨で試合開始が1時間遅れる悪コンディションも
試合が開催する方向で固まったのは開始1時間前の午後1時。内野の黒土部分に敷いていた全面シートを外し、水が浮いている部分には土を充てた。何とか定刻より1時間3分遅れでプレーボールにこぎつけたが、その時点でグラウンドには水が浮き始めていた。
試合を完遂させた阪神園芸の技術 最悪のグラウンド状況の中で…
グラウンドキーパーを統率する阪神園芸の金沢健児・甲子園施設部長は「今までに経験がないくらいの…」と語るほどの悪コンディション。前日までの雨で、グラウンドは多量の水分を含んでいた。そこに全面シートをかけていたことで、蒸発されず、すぐに水が表面に浮いてくる状況だった。
試合を完遂させた阪神園芸の技術 最悪のグラウンド状況の中で…
それでもスリップ、故障者なし!?
懸命の整備を行った金沢部長。マウンドと打席には速乾性の強い砂をほぼ毎イニング開始前に入れた。選手が故障しないよう、五回終了の整備時には一輪車で5~6台の砂を的確なポイントに充てた。
試合を完遂させた阪神園芸の技術 最悪のグラウンド状況の中で…
選手自身が気を配っていたこともあるが、あらかじめグラウンド下層部分を固めていたこともあり、プレー中にスリップする場面はほとんどなかった。豪雨による強行開催の中で1人の故障者も出さずにゲームを終えたことは、グラウンドキーパーによる“プロの技術と判断力”が大きな要因だ。
試合を完遂させた阪神園芸の技術 最悪のグラウンド状況の中で…
責任審判も「すごく感謝している」
さすがに9回まではできない-。誰もがそう思って不思議ではないほど、グラウンドは最悪の状況だった。それでも辛うじて試合ができる状態を最後まで保った阪神園芸の技術。試合中に中止か否かの判断を委ねられた責任審判・笠原一塁塁審は「阪神園芸の方にはすごく感謝しています」と明かす。
試合を完遂させた阪神園芸の技術 最悪のグラウンド状況の中で…