のりピー「何の恩返しもできなかった」
すい臓がんのため23日に死去した芸能事務所「サンミュージックプロダクション」の設立者で会長の相澤秀禎氏(あいざわ・ひでよし、本名・相澤與四郎=あいざわ・よしろう、享年83)の通夜が28日、東京・青山葬儀所でしめやかに営まれ、森田健作千葉県知事(63)や元歌手で元女優の桜田淳子さん(55)、歌手・松田聖子(51)、女優・酒井法子(42)ら1500人が参列した。
86年のデビューから23年間所属していた酒井は「何の恩返しもできなかった」と悔しさをにじませながら、何度もハンカチで涙をぬぐった。相澤氏の遺影に10秒近く頭を下げ、「太陽のような方。夢だったらいいのに」とつぶやいた。
85年に福岡市から上京した酒井は、相澤氏の自宅で下宿生活をしながらデビューを果たし、その後、スターへの階段を上っていった。ところが、09年に覚せい剤取締法違反で逮捕。事務所を解雇され、恩人である相澤氏も責任を取って、会長職を辞した。
事件のことがあり、最後に会ったのは3年前。だが、先週、長男で社長の相澤正久氏から手紙を書くように勧められ、「1日でも早く元気になって太陽のような温かい笑顔にお会いしたい」とつづったが、願いはかなわず会長は旅立ってしまった。
芸能界復帰を果たした酒井は「会長にまた会ったら『一生懸命生きました』と伝えられるように頑張ります。恥ずかしくないように生きていきたい」と今後、恩返しを約束していた。