渡辺謙、山崎豊子さんは大きな道しるべ

 9月29日に88歳で亡くなった作家の山崎豊子さんを偲(しの)ぶ会が27日、都内で行われ、俳優・北大路欣也(70)や渡辺謙(54)など約200人が参列し、別れを惜しんだ。09年に映画化された「沈まぬ太陽」で主演を務めた渡辺が弔辞を読み上げた。会場には、山崎さんの筆記用具や自筆原稿なども展示され、一般のファンも献花に訪れた。

 99年に行われた「沈まぬ太陽」刊行記念サイン会で笑顔を見せる山崎さんの遺影に向かって、渡辺が思いをかみしめるように弔辞を読み上げた。

 「(主人公の)恩地元のセリフに『矜持』という言葉がある。山崎先生は僕にとって大きな道しるべ。先生の志と矜持を心に刻んでやっていきたい」。そう誓いを立て「素晴らしい作品をありがとうございました」と頭を下げた。

 「沈まぬ‐」の制作前に、恩地を演じたいという思いを山崎さんへの手紙にしたためた。その後、ロケの際に大阪府堺市にある自宅を訪ねると、「私の作品を自分からやりたいと言ったのは、あなたと田宮二郎だけよ」と笑って告げ、シャンパンを用意してくれていたという。

 辞去する際は、体調が優れず見送りこそなかったものの、奥(の部屋)から「次もまたやってね」という声が飛んできたといい、「楽しい時間でした。もう一度お目にかかれなかったのが残念」と視線を落とした。

 「華麗なる一族」などに出演した北大路は「山崎さんの作品は、鋭い強烈な波動を受ける。役者冥利に尽きる役を演じさせていただいた」と感謝の言葉を述べた。また、山崎さんの作品に出演した俳優の仲代達矢(80)、上川隆也(48)も感謝の思いをつづったメッセージを寄せていた。

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