「はっぴいえんど」が大瀧さんへ弔辞

 昨年12月30日に解離性動脈瘤(りゅう)で急死した歌手で音楽プロデューサーの大瀧詠一さん(享年65)のお別れ会が21日、都内で開かれ、関係者250人が出席した。ロックバンド・はっぴいえんどで共に活動した細野晴臣(66)、鈴木茂(62)、松本隆氏(64)=現作詞家=がそれぞれ弔辞を読み、遺族代表であいさつした妻の静子さんは、大瀧さんの最期の言葉を明かした。

 一時代を築き、1972年に解散したはっぴいえんどが、悲しみの再集結を果たした。白い花で埋め尽くされた祭壇には、82年にラジオ「Go!Go!Niagara」の収録現場で撮影された遺影。ヘッドホンをつけてマイクと向き合う大瀧さんの前に、細野、松本氏、鈴木の3人が並び立った。

 「(85年の)再結成のときはぎくしゃくしてましたが、今ならじっくり、はっぴいえんどができるんじゃないかと、去年の秋、思った矢先でした。また一緒にやりましょう」。細野は胸に秘めつつ幻と終わった夢プランを打ち明け悔しがった。

 50年前に初めて大瀧さんの部屋を訪れたときのことを振り返った松本氏は、「苦く、美しい青春をありがとう」と感謝。鈴木も「大瀧さんの魂や思いは、どこかで受け継がれます」と天国へ言葉を向けた。

 妻の静子さんによると、大瀧さんは亡くなる1週間ほど前から体調を崩し、快方に向かっていたときに突如訪れた悲劇だったという。「リンゴの皮をむいていたとき、突然『ママ、ありがとう』と大きな声で言われました。びっくりして主人の方を見ますと、ぐったりしてました」と最期の瞬間を振り返った。

 この日は、大ヒットしたアルバム「A LONG VACATION」の81年の発売日。会場は大瀧さんが晩年に利用したレコーディングスタジオが入るビルで、一般向けの献花にはファン1000人以上が訪れた。思い出の詰まるスタジオには、ギターや手書きのコード譜などゆかりの品々が展示された。

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