リュウソウレッドの“素”は慎重、ブルーはのほほん?役柄とギャップも
【「騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」丸見えソウル(3)】 リュウソウジャーに変身する初期メンバー5人のキャラクターは“五者五様”。オーディションの際もそれぞれバラバラに個性が際立つように意識して選ばれたという。面白いのは、役と素の俳優とは性格が真逆な場合もあるという点だ。それぞれのキャストはどんな素顔なのか、東映の丸山真哉プロデューサーと、テレビ朝日の井上千尋プロデューサーに聞いた。
どの色の戦士がどんなキャラクターか、という点は「最初から」(両プロデューサー)決めて制作に入っているという。一般的にはレッドはリーダー、ブルーはクール、グリーンは若々しく、ブラックは寡黙か力持ち、ピンクは女性戦士が演じてきていることが多い。オーディションを通じ、「バランスを見てこの人がレッドだったらこうなるねみたいな形で組み合わせていく」という作業を経て、チームとしてのリュウソウジャーがつくられていった。
まずはリュウソウレッドのコウ。今作品でデビューした一ノ瀬颯が演じる。「一ノ瀬くんっていうのはすごい真面目な子なんですね」(丸山P)と明朗快活なコウとは対照的な評価。「石橋をたたいてしばらく待ってるタイプ。考えないよりはいいのですが、考えすぎて視野が狭くなってしまいがちなので、そうならないよう気を付けてもらってます」(丸山P)
作品では思慮深いリュウソウブルーのメルトを演じるのは綱啓永。彼も役どころと、性格が正反対なのだという。「彼自身は人懐っこくて、明るくていい子なんですけど、だけど(ドラマでは)キリッとした顔をして訳知り顔で、いろんなことを言ってくれる」(丸山P)。
リュウソウピンクのアスナを演じる尾碕真花は「物事を冷めた目で客観的に見がち」(丸山P)で、明るいアスナとはこちらも違う。ただ、天真爛漫なアスナと自分を比較して、言わなくてもいいのにわざわざ「アスナの天真爛漫さは、私と全然違います」と主張する姿を見て井上Pは「天真爛漫だなあ」とほのぼのとした視線を送っているという。
リュウソウグリーンの小原唯和は「落ち着いていて、思慮深く、おとなしめ」(丸山P)、「プロ意識が高い」(井上P)と無邪気で生意気なトワとはギャップが大きい。そのトワの兄で、リュウソウブラックに変身するバンバは岸田タツヤが演じる。実際に他のメンバーより年齢が高く、重しのような存在になるはずだが…。「岸田君は芸歴がある分、今まで様々な先輩たちから可愛がられてきたので、本来はどちらかというと弟キャラなんですよね。でもこの現場では最年長なんで、一生懸命みんなを引っ張っていこう」(丸山P)と奮闘してくれているのだという。
ざっと見てもリュウソウブルー/メルトを演じる綱の方がリュウソウグリーンのトワのキャラクターに近かったりと、本人の性格とキャラクターとの開きが大きい。ただ、このギャップのおかげで「役になる時のスイッチが入る」効果もあると丸山Pは見ている。長い俳優人生の中では、自身の性格と異なる人物を演じることの方が多いだろう。そういう意味でも出演陣の力が養われる現場になっているとも言える。