日中韓の気鋭アーティストが京都・二条城に集結

日本、中国、韓国の3カ国から選ばれた3都市が交流をおこない、1年間を通じてさまざまな文化芸術プログラムをおこなう国家プロジェクト『東アジア文化都市』。「元離宮 二条城」と「京都芸術センター」(ともに京都市中京区)で、京都市のコア期間事業となる『アジア回廊 現代美術展』が、8月19日からおこなわれます。

今年の3都市は、日本の京都市、中国の長沙(ちょうさ)市、韓国の大邱広域(てぐこういき)市。「アジア回廊」という名称には、このプロジェクトがさまざまな地域の文化芸術の豊かさに直接触れ、感動を共有する場になり、寛容で融和的な社会の形成に寄与するものであってほしいという願いが込められているとのこと。「回廊と言っても単なる通り道ではなく、そこを巡り歩くこと自体が楽しみとなる魅惑的な場を作り出そうということ」だと、本展のアーティスティック・ディレクターを務める建畠晢さん(詩人/美術評論家)は語る。

参加アーティストは日中韓の25組。日本は、今村源、中原浩大、やなぎみわなど、京都出身・在住アーティストが中心で、そこに草間彌生、堀尾貞治+現場芸術集団「空気」が加わります。中国と韓国からは、ツァイ・グオチャン(蔡國強)、ヤン・フードン(楊福東)、キムスージャ、ヒョンギョンなどが参加。また、西京人は、日中韓の3アーティストで結成されたユニットで、本展を象徴する存在と言えるでしょう。

また、「二条城」で大規模な現代美術展が行われる点も要注目です。「二条城」は150年前(1867年)に大政奉還がおこなわれた場所であり、日本の近世・近代史のエッセンスが凝縮しています。その歴史性に富んだ場所を舞台に現代のアーティストが先端的・実験的な作品を発表するのです。ここでしかあり得ない、マジカルな空間の出現を期待しましょう。

世界は今、不穏な空気が立ち込めています。美術展が行われたところで懸念が一掃される訳ではありませんが、文化芸術を通じて相互理解を深めるのに越したことはありません。本展に多くの人が来場して、その意義を感じてもらえればと思います。

文/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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