【野球】プロ経験なしのブルペン捕手が若手に伝えたいこと 深沢2軍ブルペン捕手兼用具担当
NPBでのプレー経験なしながら、DeNAを陰で支える男がいる。投手陣の球を受けながら、練習や試合に必要な用具を管理、手配する深沢季生2軍ブルペン捕手兼用具担当(36)。クラブチーム、独立リーグで野球を続けてきた深沢ブルペン捕手が、若手選手に伝えたいこととは-。
2014年の冬にDeNA球団から誘いを受けて入団。16年から3年間は1軍ブルペン捕手も務めた。現在はファームを支える深沢ブルペン捕手は「プロはすごく恵まれているなと。もっと上を目指してほしい」と若手にさらなる奮起を促す。
立場上、選手へ積極的に働きかけることはせず、何か聞かれれば答えるというスタンスだ。それでも、伝えることがあるとすれば“今の環境がいかに恵まれているか”ということ。自身は専修大を卒業後、クラブチームの神奈川BBトリニティーズ、BC石川でプレーした。
「(NPBの環境が)すごくうらやましいです。道具もそうですし、洗濯、料理など(独立Lは)全部自分でやらないといけない」。野球だけに専念できない状況で上を目指してきた経験があるから、若手の現状が物足りなく映る時もある。もっともっと成長してほしいという親心で、可能性を秘める選手らにエールを送る。
「今はファームなんで、若い選手や2軍でくすぶっていた選手が1軍で投げて勝った時ですかね。言葉にできないくらい、むちゃくちゃうれしいです」。もがき苦しむ選手を裏方として励まし、支える。その時間があるからこそ、勝利の味は何物にも代えがたい。
選手のパフォーマンスを引き出す空気作りは重要な仕事だ。東は「フカ(深沢)さんですか?的が大きいので投げやすいです」といたずらな笑みを浮かべつつ、「声を出してブルペンの雰囲気を作ってくれる。やっぱり(気持ちが)乗りますね」と感謝する。
深沢ブルペン捕手は「(捕球の)音が(うまく)鳴らなかった時に声を張る、そしたら周りが(ミスを)喜ぶ。それが1セットですね。でも、雰囲気作りは大事にしています」と笑顔。黒子に徹し、若いチームをサポートしている。(デイリースポーツ・山本航己)
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深沢 季生(ふかざわ・としお)1983年7月30日生まれ、36歳。横浜市出身。右投げ右打ち。180センチ、90キロ。藤嶺藤沢高ではエースで4番。専修大でも1年秋から主戦として活躍した。神奈川BBトリニティーズで捕手に転向し、BC石川でプレー。引退後は同球団でバッテリーコーチを務めた後、2軍ブルペン捕手としてDeNAに入団。
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