【野球】セ3球団が“戦力外大物選手”大量獲得 その背景にあるのは- 評論家「えっ?という選手がカットされていた」
プロ野球界では今オフ戦力外通告を受けた“大物選手”の新天地が続々と決まっている。
DeNAは17日、前ソフトバンクの森、前オリックスの中川颯、前巨人の堀岡の獲得を正式に発表。ヤクルトも同日、前楽天の西川、前ソフトバンクの嘉弥真と増田珠を獲得したと発表した。
西武は交渉解禁となった16日に前楽天の炭谷を獲得。中日では前巨人・中島、前ソフトバンク・上林、前阪神・山本と板山の入団が確実となっている。
例年以上にビッグネームを含めて、“戦力外選手”の動きが活発となっている状況。デイリースポーツ評論家・関本四十四氏は「今年は『えっ?』と思う選手が結構の人数でカットされていて、随分と各球団の決断が早いな、と思っていた。そういう意味では予想通り、他の球団に決まったよな」と語る。
関本氏が太鼓判を押していた炭谷や中川颯、堀岡の3選手もすぐに移籍先が決定。「ジャイアンツ球場で2軍戦を見に行っても、各球団の編成担当、いわゆるプロスカウトが10人くらい見ている。常に、トレード候補を含めて資料を集めているから、受け入れる各球団の判断も早いよな」とした。
実績ある選手がこれほどまで戦力外となるのも珍しいが、その背景にあるのはパ2球団の動き。関本氏は「ソフトバンクにしろ楽天にしろ、優勝を逃し、監督も代わった。チーム改革するタイミングで、年俸が高かったり、ベテランで成績が下降気味の選手を思いきってカットしたんだろうな。逆に、DeNA、中日、ヤクルトにとっては資金面が限られる中で、補強ポイントに合った選手が浮いてきた。DeNAはリリーフが不安な面もあるから森、中日は代打を含めて1点を取る確率を高めたい思いがあって中島や上林らを獲得している。各球団、狙いが分かりやすいメンバーを獲得しているよな」とうなずいた。
現役時代、自身もトレード経験のある関本氏。今季は現役ドラフトで環境を変えた阪神・大竹や中日・細川が活躍したことにも触れ、「メンタル面でも変わるし、指導者にもたれている先入観がなくなるだけで活躍の場が広がることもある。すぐに決まった選手はある程度、チャンスは与えられるだろうから、再生する可能性は十分にある」とした。
多くの選手が動き、ファンの興味も増す来季。一方で、関本氏は「あくまで枝葉の部分で、低迷しているチームが巻き返すには現有戦力の奮起、若手の力が必要。今季経験を積んだ選手たちがどこまで飛躍できるかで、勢力図は変わるだろうな」と語っている。