【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】「報連相」ができない勤め先の後輩 どのように指導すればいいか
にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。
勤め先の後輩のことです。基本的にまじめなのですが、ちょっとしたトラブルがあった際の報告、自己都合でイレギュラーの休みをとるときの連絡などいわゆる「報連相」ができません。業務上の注意をしても「パワハラだ」と返ってくるような風潮であり、若い世代をどのように指導すればいいでしょうか。
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後輩が「報連相」を十分に行わないことで業務に支障が出ている状況や、注意が「パワハラだ」と受け取られる風潮にお悩みとのこと、現代の職場で多くの方が直面する課題だと思います。
後輩が「報連相」を欠く理由として、単に重要性を理解していないだけでなく、報告や連絡への心理的なハードルが影響している可能性もあります。また、ミスを指摘されることへの恐れや、自分の判断に自信が持てないことが原因となる場合もあります。これらの背景を理解し、適切な方法で改善に取り組むことが大切です。
報連相を促すためには、「その意義」を明確に伝えることが有効です。ただ義務として求めるのではなく、「情報共有が全体の業務効率をどのように向上させるか」を具体的に説明しましょう。例えば、「早めの報告で問題が大きくなる前に対処できる」や「予定の連絡があると他のメンバーの調整がスムーズになる」など、チーム全体の利益を強調することが重要です。
また、報連相のハードルを下げる仕組み作りも効果的です。簡単な日報や短いチャットメッセージでの報告を奨励することで、形式ばらずに情報を共有できる環境を整えられます。これにより、心理的な負担を軽減し、後輩が情報共有の価値を理解しやすくなるでしょう。
注意を伝える際には、相手の自尊心に配慮することが欠かせません。指摘の前にポジティブな評価を伝え、その上で改善点を示すことで相手が受け入れやすくなります。例えば「普段の取り組み方には感謝しています。その上で、報告のタイミングを少し工夫してもらえると、さらにスムーズに進むと思います」という伝え方が効果的です。
さらに、「パワハラ」と誤解されないためには、指導の透明性を高めることが重要です。第三者を交えた話し合いや、指導内容を記録することで公正さを示し、誤解を防ぐ工夫ができます。
最後に、後輩の成長を促すためには成功体験を積ませることが大切です。小さなタスクを任せ、それがうまくいった際に感謝や称賛を伝えることで、後輩が「自分の行動がチームに良い影響を与えている」と実感できるようになります。「ありがとう、これで全体がうまく回ったよ」という一言が、報連相のモチベーションにつながるはずです。
若い世代とのコミュニケーションには難しさもありますが、相手の視点を理解しつつ柔軟に対応することで、職場全体の成長を促すきっかけになるでしょう。ぜひ、少しずつ取り組んでみてください。
◆西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数4万8000人。