リオ世代にザックイズム注入で即戦力に
日本サッカー協会の原博実技術委員長(54)が27日、U‐17(17歳以下)、U‐19(19歳以下)日本代表の海外遠征視察から帰国し、来年1月に行われるU‐22(22歳以下)アジアカップに年齢制限のないフル代表からイタリア人や日本人のコーチを派遣する考えを明かした。2016年に行われるリオデジャネイロ五輪代表の年代を、フル代表の即戦力となりうるよう育成することが狙いだ。
羽田空港着で帰国した原委員長は、来年1月のU‐22アジア杯の監督やコーチ陣の人選について、「A(フル)代表に絡むスタッフも含めて検討して、技術委員会で議論をして決めたい」と明言した。「イタリア人(スタッフ)も含めて」と現在のフル代表から人材を派遣する意向を示した。
ザック監督の右腕たちに若手を指導させることで、戦術に一貫性が保たれる。原委員長は「(フル)代表に入ってくる選手ができても、同じやり方でできるメリットがある」と飛び級招集も見据えた措置であるとした。ザック監督は原則2014年のブラジルW杯で任期を終えるが、こうした利点の大きさを考慮した。
今年はリオ五輪出場を狙う年代のU‐19日本代表の監督は、原委員長をサポートしている技術委員会の霜田正浩氏が務めている。今月7日から23日までのスペイン遠征ではフル代表と同じ4‐2‐3‐1が基本フォーメーションだった。帯同したある選手によると「ミーティングで映像はフル代表のものを見た」といい、すでに英才教育は始まっているようだ。
来年1月のU‐22アジア杯には、3年後の16年に五輪年代(23歳以下)となる21歳以下の年代で出場する方針だ。この大会の監督にリオ五輪を任せるかは未定だが、フル代表と五輪代表が一丸となって高みを目指す。