香川、脳しんとうで復帰即離脱
「国際親善試合、日本1-0ジャマイカ」(10日、デンカS)
日本サッカー協会は10日、日本代表MF香川真司(25)=ドルトムント=が脳振とうとみられる症状のため、離脱すると発表した。ジャマイカ戦の前半に相手との接触プレーで顎を強打。治療を受けた香川は試合後、「頭がクラクラする」と訴え、新潟県内の病院に直行した。追加招集は未定。また、本田圭佑(28)=ACミラン=は3試合連続で不発に終わった。
アギーレ・ジャパンが初勝利を飾った試合後に衝撃が走った。ブラジルW杯以来の代表復帰となったMF香川がチームを途中離脱することが発表された。
香川は前半38分、あごを強打してタッチライン際で治療を受けた。口の中を切ったが、途中交代した後半45分までそのままプレー。協会広報によると、試合後に「頭がクラクラする」と脳しんとうに近い症状を訴えたという。アギーレ監督とも話をした上で最終的に離脱の判断が下され、精密検査のため新潟県内の病院に直行した。
香川はマンチェスターUに所属していた8月26日のイングランド・リーグ杯でも接触プレーで脳しんとうを起こして途中交代。新体制初陣となる9月の代表招集を見送られていたため、今回も大事を取ったとみられる。
新境地となる左インサイドハーフで先発出場した香川は不慣れなポジションに前半こそ苦しんだが、後半16分には右足アウトサイドの鮮やかなクロスで決定機を演出。同20分には自らが起点となり最後はDF酒井のクロスに右足を合わせたが、枠をとらえることはできなかった。
新潟は19歳だった08年10月にA代表初ゴールを決めた思い出の場所。試合後のTVインタビューでは「サポーターが快く迎えてくれたのでゴールを決めたかった」と悔しさをにじませたが、指揮官は「シンジは良かった。指示していたことを努力してやっていた」と及第点を与えた。
「持っているものを全てぶつけたい」と話していた14日のブラジル戦は欠場が決まった。無念の思いを残したまま、背番号10がチームを離れる。