13年目にして花開いた苦労人!阪神・岡崎が見せた努力の結実
虎に遅咲きのヒーローが誕生!阪神・岡崎太一が6月3日の交流戦・日本ハム戦でプロ初弾、4日にはプロ初のサヨナラ打!13年目にして花開いた苦労人、決して平たんではなかったその軌跡を振り返ります。
公開日:2017.6.5
【2004年12月2日デイリースポーツ紙面より】阪神の自由獲得枠・岡崎太一捕手(21)=松下電器=が1日、大阪市内のホテルで入団交渉を行い、契約金1億円(出来高5000万円)、年俸1500万円で仮契約。背番号は「27」に決定した。
「自分の色を付けていきたいです」。ヤクルト・古田と同じ背番号にもおくすることなく、力強く言い切った。
全盛期には5割を超える盗塁阻止率を誇った古田の強肩。岡崎もアマ球界ナンバーワンの強肩を誇るが、その志はさらに高い。「一番いいのは(相手が)走ってこないことだと思ってます」。そう、誰も走ってこなければ、企図数0刺殺0で・000。これぞ究極の盗塁阻止率だ。
それにはまず、自慢の強肩を、1日も早く内外に知らしめることが重要。そのためにも「1年目から勝負だと思ってます」とキッパリ。それこそ“泥水を飲む覚悟”で、虎の穴に飛び込む考えだ。
現在、不動の正捕手として君臨する矢野は、岡崎が最も尊敬する捕手でもある。「常に冷静で、打席でも勝負強い。すごいキャッチャーだと思います」。行く手の険しさは覚悟の上。「39」の背中を道しるべに、究極の捕手への階段を駆け上がる。
2005年、いよいよ「虎の岡崎」始動!高まる“ポスト矢野”への期待
自由獲得枠での阪神入団。岡崎への期待は高まるばかり。それを示すように、宜野座でのキャンプでは岡崎の名前を冠したメニューも登場しています。
【2005年1月21日デイリースポーツ紙面より】 『鳥谷丼』の次は『岡崎ごっついバーガー』だ―。昨年2月の阪神宜野座キャンプで「鳥谷丼」を大ブレークさせ、キャンプ終盤には「赤星茶づけ」も考案した球場の売店が、今年も新作を考案していることが20日分かった。自由枠ルーキーで、強肩が売りの岡崎太一捕手(21)を題材にしたこの『ごっつい~』。名前のごとく、ごっついヒットを飛ばせるか。
ヒットメーカーは「宜野座パーラー」の店主・新里玲奈さん(25)。昨年は『鳥谷丼』『赤星茶づけ』が飛ぶように売れた。「おねえちゃん、今年は辻本丼でも作るのか?」という周囲の声に応えるように、今年も頭をひねって考え出した。「もう考えてるよー。でもまだ言えない」と一度は拒否したものの、デイリー読者のために一足早く教えてくれた。
「デイリーさんだけに教えましょね。今年は『岡崎ごっついバーガー』を目玉にします」
他店にマネをされると困るという思いから、販売開始をキャンプインの2月1日に設定した。昨年『鳥谷丼』は「1日300杯売れました。練習試合では700杯は売れました」という人気ぶりだった。
「昨年は鳥谷君の顔を知らなかった。でも今年は勉強した」と、プロ根性を見せる新里さん。今年は当初、新人の目玉・辻本をターゲットにしており、既に名前も『辻本ビッグバーガー』に決定済みだった。だが、辻本は2軍のため、地元のヒロイン宮里藍似の岡崎に変更した。
寸評欄にある「強肩」の2文字。これを見て「この人だ!」と決めた。沖縄弁では「ごっつい」は「強い」の意。「肩が強い岡崎君には、ぴったり」。もともと宜野座の隣町金武町で育った新里さんには、本土では規格外の大きさのハンバーガーにはなじみがあったという。
同町と宜野座村にまたがる米軍基地「キャンプハンセン」のメーンゲートに並ぶ出店では米国人を相手に、このサイズのバーガーが人気を博しているという。そんな規格外のハンバーガーを、鳥谷丼に負けない商品にしたいというのが願望だ。「岡崎君の活躍次第。1日1000個が目標です!」と、鼻息が荒い。
2月1日、満を持して『岡崎ごっついバーガー』がデビューする。『鳥谷丼』をしのげるかどうか、宜野座キャンプの楽しみがまた1つできた。
しかしながら、やはりプロの世界は厳しい。2軍暮らしが続き、ルーキーイヤーでの1軍出場はゼロ。次第にデイリースポーツ紙面での登場も減っていき、オフシーズンの契約更改では、小さな「現状維持」の記事が出たのみでした。即戦力として、入団時の大きな期待に応えられたとは言いがたいものとなりました。