13年目にして花開いた苦労人!阪神・岡崎が見せた努力の結実
虎に遅咲きのヒーローが誕生!阪神・岡崎太一が6月3日の交流戦・日本ハム戦でプロ初弾、4日にはプロ初のサヨナラ打!13年目にして花開いた苦労人、決して平たんではなかったその軌跡を振り返ります。
公開日:2017.6.5
矢野の故障もあり、初めての開幕1軍が決定。そして4月4日、ついに1軍で初マスクをかぶります。ですが、それはホロ苦いものだったようで…。
“ポスト矢野”として期待されていた選手の1軍デビューとしては寂しい記事です。正直、岡崎への期待は以前ほどではなくなっていたことは否めません。
しかしその2日後、初の先発マスクを任され、大活躍をみせます!
【2009年4月7日デイリースポーツ紙面より】 10失点を喫したリード面に課題は残った。それでも、しっかりと聖地に刻んだ3本の安打は胸を張っていい。5年目にして初めてスタメンに名を連ね、マスクをかぶった岡崎がプロ初安打、初打点、そして初の猛打賞。狩野とともに、新装なった甲子園に若き力が芽吹いた。
「何とかして食らいついていこうと思いました」。二回一死一塁、プロ初打席でいきなり右前打を放った。五回には再び右前へはじき返し、七回には二死二塁から中前へポトリと落ちるタイムリーだ。緊張と興奮が入り交じった初めての大舞台で、マークした3打数3安打は100点満点をつけられる打撃内容だ。
04年のドラフト自由枠で入団したが、今季の開幕まで1軍での出場機会は1度もなかった。入団後から右ひじ痛に悩まされ、07年にはひじにメスを入れた。
不退転の覚悟で臨んだ今年の春季キャンプ。自慢の強肩で頭角を現し、オープン戦でも結果を残して開幕1軍の切符をつかんだ。去年との違いを問われた岡崎は「やっぱり家族ですね。あとは感謝の気持ち。1軍に呼んでもらっているだけで感謝です」。そんな苦労を知る男に、聖地はサヨナラ勝ちというご褒美まで与えてくれた。
それでも本人に浮かれた表情はない。2ケタ失点に「投手の方に迷惑をかけて申し訳なかった」と反省。自身の“記念日”くらいは感慨に浸ってもいいはずだが、その謙虚な姿勢が頼もしかった。
4月16日にはスタメンマスクで初勝利。最終的には14試合に出場し存在感を見せました。ようやく1軍での活躍の目処が立った岡崎に、大きな試練が。米大リーグでも活躍した城島健司の加入が決定したのです。