米国人の虎ファンが描いた阪神日本一 なぜか幼少期から惹かれた日本プロ野球 今ではハワイで試合を生観戦
カナダ出身で阪神タイガース推しの筆者。今年のプロ野球はDeNAの下剋上日本一で幕を閉じたけど、いまだに昨年の阪神リーグ優勝や日本一の動画を見て癒やされる毎日だ。最近はそれだけでは足りず、2023年と1985年の日本一を描いた絵画にも慰められている。
作者の名前は「ソラリオ」。元助っ人の「ソラーテ」と「ロサリオ」を連想させる名前が阪神との“縁”を感じさせる。そんな彼は大の阪神ファンだ。
サンフランシスコ出身で現在ハワイ在住。なぜか子どもの頃から日本野球に興味を持っていたそうだ。当時はインターネットが普及しておらず、簡単に日本の情報を入手することができなかった。それでもソラリオ少年は日本の各球団の住所をゲットし、それぞれに手紙を書いてみた。試合日程の印刷物、ステッカーなど「なんでも良いのでください」と。しばらく待つと色々届けられた。ますます日本の野球が好きになった。
数年後、贔屓のMLBチームであるサンフランシスコ・ジャイアンツに新庄剛志が移籍してきた。ピカイチの守備センスに惹かれ、ルーツを辿ってみると阪神タイガースに出会った。
大人になったソラリオは、キャリア模索中の数年間にわたって韓国を拠点にした。スケジュールに余裕があるたびに大阪を訪れ、街のノリや雰囲気に惹かれた。同時に阪神タイガースにも惹かれた。その後ハワイに渡って、新しい“恋人”である阪神タイガースを本格的に応援し始めた。バーテンダーとして働き、深夜帰宅後に虎テレで阪神の試合を生観戦。遠いハワイで阪神のアレを願っていた。
昨年、阪神はリーグ優勝を遂げて日本シリーズに進出。第1戦で山本由伸投手を打ち崩した夜、テレビの前で応援しながら閃いた。「アレのアレになったらその偉業をアート作品の形で残したい」。阪神の日本一が決まった第7戦の試合終了から数時間後、作品を描き始めた。
モチーフは自分の得意な「レトロ」。2023年の阪神だけではなく、1985年の英雄たちにも敬意を払いつつ、少しずつ制作を進めた。ハワイ優勝旅行中に岡田監督に手渡したいと切望したが、完成は間に合わず。結局、2024年の開幕直前に完成した。「自分自身の作品なので100%満足することはないけどある程度は満足しているよ。縁の細部は気に入っているけどもっとイースター・エッグを入れればよかったなぁ」。とはいえ、筆者はなかなかの作品だと思う。
彼は今夏、関西に1カ月滞在した。大阪・梅田の阪急百貨店9階に作品を展示する機会に恵まれ、案の定、この阪神タイガースの作品は大好評。阪神百貨店のタイガースショップを訪れた際には、阪神ファンからサインと写真を頼まれたそうだ。
「初めて自分にファンがついた気分だった。最高!」。作品の購入を検討したい方は(https://solario.studio/)にアクセスしてください。
彼はハワイで、古いユニホームや古い道具を用いて“昔のような野球”を再現する「ビンテージ・ベースボール」の復興にも挑んでいる。そういったチームを日本に引率し、大好きな日本プロ野球ファンの前で披露したいという夢も抱いている。活動を通じて、もう一度阪神タイガースに日本一の風を吹き込もう!がんばれソラリオ!
◆トレバー・レイチュラ 1975年6月生まれ。カナダ・マニトバ州出身。関西の大学で英語講師を務める。1998年に初来日、沖縄に11年在住、北海道に1年在住した。兵庫には2011年から在住。阪神ファンが高じて、英語サイト「Hanshin Tigers English News」で阪神情報を配信中。