2023.08.18

小田穂乃実の実になる話①「折り合い」ってな～に？

　皆さんこんにちは、今年入社１年目の小田穂乃実です！競馬にはたくさんの専門用語が出てきますが、ただ説明を読むだけでは、なかなか理解できないものもたくさん…。私のような初心者でも分かるように、競馬関係者の方々に教えていただき、皆さんに紹介していきたいと思います。

　さて、記念すべき第１回目は、競馬を予想する上では欠かせない「折り合う」を取り上げますよ～。ネット等で調べてみると、「騎手と馬の調和状態のこと」という文言を見つけましたが、調和状態…一体どういう状態なのか、実際にレース中、どうやって見分けるといいのでしょうか。栗東・渡辺厩舎に所属する竹山助手に聞いてみました。

　「ひと言で言えば馬がジョッキーの指示をよく聞いていて、波長が合っている状態」。ふむふむ、波長が合っているとは？「楽そうにジョッキーが乗っているっていうのが、一番見分けやすいかなぁ。例えば、まだ前にスピードを上げて進んで行くタイミングじゃないのに、馬が前に前に行こうとしているとき、『まだ我慢！』ってことを伝えるために、ジョッキーは手綱を引っ張る。そうすると、指示を伝えるために馬が口に着けている“ハミ”が思いっ切り引っ張られて、馬の口が開いてしまっていることがあるわ。そういうときは“折り合えていない”ってことになるね」。

　勝つためには、その馬に合ったレーススタイルが求められます。だから、ジョッキーは想定ペースよりも馬がスピードアップするタイミングが早かったり、前へ行こうとしたりするのを抑えなければいけないのですが、こうした動作と馬の気持ちがチグハグになってしまうと、体力を余計に消耗してしまいます。ちなみに、折り合えていない状態のことを“引っ掛かる（掛かる）”と言います。河原田ジョッキーは「折り合える馬と折り合えない馬では、乗っていて楽さ加減が全く違いますね」と話していました。

　普段の調教はもちろんのこと、実戦で我慢を覚えさせることで、次戦に生きることもあります。いわゆる“人馬一体”は、日々の積み重ねからなるものなんですね。「しっかり折り合えていたら、ジョッキーの拳がきれいに馬の背中に乗っていて、ほとんどそこから動いてない」（竹山助手）。過去のレースＶＴＲを見る際には、騎手の拳の位置も要チェックです！