沢尻被告保釈 姿見せずに医療機関に入院 起訴当日に
11月16日に逮捕された女優の沢尻エリカ容疑者(33)が6日、東京地検から麻薬取締法違反の罪で起訴された。合成麻薬のMDMAに加え、LSDの紙片と液体も所持していた疑い。直後に保釈請求して、保釈保証金500万円を納付。勾留されていた警視庁東京湾岸署から保釈された。その後、薬物依存の治療のため、都内の大学病院に入院した。沢尻被告は謝罪文を発表し、女優復帰の意欲を示した。所属事務所も更生を支援する方針を公表した。
地に墜ちた姿を、世間に見せることはなかった。逮捕当日の留置場移送や送検では、車両のカーテンが閉められ、車中の様子はうかがえず。衝撃逮捕から20日、沢尻被告は、保釈されても、湾岸署内で迎えの車に乗り込んで、午後7時24分、警察署を後にした。逮捕から一度も姿を見せないまま、身柄の拘束を解かれた。
勾留期限となったこの日、保釈以外にも大きな展開があった。警視庁組織犯罪対策5課が、沢尻被告の自宅から合成麻薬LSDを押収していたことが判明。10年以上前から違法薬物に手を出して、「これまでに大麻やLSD、コカインも使った」という供述を裏付けすることになり、薬物への親和性が改めて浮き彫りになった。見つかったのは、強烈な幻覚作用があり、乱用すると精神障害を起こすことがあるLSD。沢尻被告は所持を認めているという。
起訴状によると、11月16日に都内の自宅で、カプセルに入ったMDMAを含む粉末約0・19グラム、LSDを含む紙片約0・08グラムと液体約0・6グラムを所持したとしている。組対5課は、MDMAを共に所持したとして、11月26日に麻薬取締法違反の疑いで逮捕した元交際相手のファッションデザイナー、横川直樹容疑者(38)が入手に関与しているとして調べている。
今後は、最強弁護士を代理人に、来年1月にも開かれる裁判で事実を争う。主任弁護士を務める河津博史氏は日産前会長カルロス・ゴーン被告も担当し、「無罪請負人」の異名を持つ腕利き。この日、その実力の片りんを見せつけた。起訴された当日に保釈を申請。地裁が保釈を認めると、すぐに保釈保証金500万円を現金で納入し、保釈された。申請してから即日で保釈されることは異例。通常は申請してから2日ほど裁判所の審理が行われる。
12年前の“別に騒動”を乗り越えて、芸能界で華々しい活躍を見せていた沢尻被告。代役で撮り直しとなったNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」や、5社と結んでいた広告契約などの違約金は、5億円にも上るとみられ、女優復帰の意思を誓えど、いばらの道は続く。
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