「ボートレースクラシック・ＳＧ」（２３日、尼崎）

　今年最初のＳＧは、人気を集めた１号艇の松井繁（４４）＝大阪・６４期・Ａ１＝が、インコースからコンマ１４のトップＳを放ち危なげなく快勝。昨年７月の若松オーシャンＣ以来、通算１２回目の優勝を飾り、優勝賞金３５００万円を獲得した。２着には鎌田義、３着には太田和美が入った。

　自ら作り上げたＶストーリーを完結させ、松井が最高の結果を出した。「まくられないようには行くつもりだった。タイミングよりトップＳにこだわりを持って行った」と振り返ったように、インコースからコンマ１４のトップＳを決めて１Ｍを先マイ。早々と独走態勢を築くと、あとはＶゴールを駆け抜けるだけだった。「このストーリーを作ろうと思って入ってきて、自分で勝ち取った。狙い通りで満足感が強い」と達成感に満ちた表情でＳＧ制覇を振り返った。

　「尼崎でＳＧがあるということで気合が入った」‐。今大会は最初から気持ちを強く入れて臨んだ戦いだった。予選は２位で通過。準優も堂々と逃げ快勝。予選をトップ通過した白井が準優で敗れたことで優勝戦の絶好枠を手にし、優勝を飾った。「他の選手はそれができないが、（自分は）流れをつかみにいって、作りにいった」。“流れ”を作り上げた強い精神力が、松井がトップに君臨し続けるゆえんだ。

　今年からＳＧにカタカナの通称が付くなど“変革”の時期にあるボートレース界。若い力も台頭しつつあるが、今もなお貫禄を示し続ける松井。１４年も幸先のいいスタートを切った。世代交代を許さず、“絶対王者”として威厳を放つはずだ。