【ボート】今村豊3度目のG1完全V

 パーフェクトVを果たし、純金製メダル入り盾を贈られた今村豊
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 「マスターズチャンピオン・G1」(19日、児島)

 1号艇の今村豊(53)=山口・48期・A1=が、インから押し切り、8連勝で、第1回大会の高山秀則(引退)以来となるマスターズの完全優勝を成し遂げた。完全VはG1戦では史上14回目で、今村豊自身は史上最多となる3回目。また、この大会は5回目の優出で第12回とこなめ以来となるV2、児島では初優勝となった。

 ゴール手前の直線でファンに向き直り、今村豊は高々と手を上げた。幾度となく栄冠を手にしてきた今村が見せた力強いガッツポーズに、全ての思いが込められていた。

 スタンドの最前列には、雨の中で大声援を送るファンがズラリ。「マスターズは1度優勝していたが、児島は自分にとって無冠の地。児島だからこそ優勝したい気持ちが強かった。最終コーナーを回った時、大勢のファンの姿が目に入ってきた」と体全体で喜びを表現し、ファンと気持ちを分かち合った。

 今節手にしたエンジンは、2月の中国地区選で白井英治が優勝した46号機。「弟子の英治が優勝したエンジンを引いて、自分も優勝できたことは最高」とエース機の力を存分に発揮し、G1で史上最多となる3度目の完全Vを飾った。

 「エースエンジンだからといって簡単に勝てるわけではない。ぶざまなレースはできないし、自分との戦い」と好Sを決め、完璧なレース内容での8連勝。最後まで誰も寄せ付けなかった。「自分はレジェンドではない。まだそこまで到達していない。行き着くところまで行ったと思ったら終わり。レーサーとして挑戦者であり続けたい」と目の前の一走に真摯(しんし)に向き合っている。

 児島を制し、全場制覇へ残すは芦屋のみ。歴史を塗り替え続けてきた今村の伝説はまだまだ続く。

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