今年もボート×競輪のドリーム対談が実現?ボート界から今垣光太郎（４０）＝石川、競輪界から佐藤友和（２７）＝岩手＝が、賞金王決定戦（住之江２０〜２３日）、ＫＥＩＲＩＮグランプリ２０１０（立川３０日）を目前に控え、本音をぶつけ合った。年齢差はあるものの、年末の大一番に向けて、両者ともアツい気持ちを持っている。素顔の２人がのぞける奇跡のクロストークだ。

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　‐２人は初対面？

　佐藤　そうです…というか、ボートレース自体をあまり知らないんです。岩手にはボート場がありませんし…。

　今垣　石川にも競輪場がないんですよ。でも、自宅の近所にイトケン（伊藤健詞＝石川・Ｓ１・68期）がいるし、競輪選手に何人か知り合いがいるので、ちょっと競輪に触れたことはあります。

　佐藤　へぇ〜。あのイトケンさんと知り合いなんですか。

　今垣　高校の同級生だったんです。ボートレーサーに知り合いはいますか？

　佐藤　飯山晃三（長崎・Ａ２・80期）さんですね。競輪の（井上）昌己（長崎・Ｓ１・86期）さんと仲がいいらしくて、僕も仲良くさせてもらっています。

　‐佐藤さんはボートにどんなイメージを持っている？

　佐藤　スタート（Ｓ）ですべて決まる感じがしますね。遅れたら終わりじゃないですか。

　今垣　そうですね。でも、コース取りの駆け引きとかターンとかも重要なんですよ。

　佐藤　競輪でいえば周回中の位置取りみたいなものでしょうね。

　今垣　似ているとは思いますが、ラインや（周回中の）駆け引きはイマイチ分かっていません。

　‐選手になろうとしたきっかけは？

　佐藤　小さいころは競輪のことを全く知りませんでした。でも、普通の仕事はしたくなかったんですよ。サラリーマンはイヤだし、実家が農業だったんですが、それもイヤだし…。中学生時代に流行していたのが「ダービースタリオン」（競走馬育成シミュレーションゲーム）で、騎手になろうと思ったんですが、体重があるから無理だし…。進路指導の先生と一緒になって考えた結果、体重があってもなれるのは…って思ったら、競輪だったんです。騎手みたいにレースやって、賞金で食っていこうと。

　今垣　ボートレーサーっていう選択肢はなかったんですか？

　佐藤　その先生から、なぜかボートだけは言われなかったですね。たぶん、無理でしょうから。

　今垣　何でですか？

　佐藤　当時、身長は１６２センチくらいで大丈夫そうですが、体重が60キロは超えていましたから。

　今垣　僕はこれ（ボートレーサー）しかありませんでしたね。父（今垣武志さん）が選手だった影響が大きいですが、体力で恵まれている訳ではないので、この仕事しか考えていませんでした。

　佐藤　ほかの競技は全く考えなかったんですか？

　今垣　このちっちゃい体では無理でしょうね。それに頭も（良く）ないし…。だから、この仕事だけは逃さないっていうつもりで試験を受けましたね。

　佐藤　一発合格ですか？

　今垣　はい。必死でしたね。

　佐藤　僕は１回落ちたんですよ。２回目で合格しました。親からは「２回までしか受けさせない」って言われていたんですよ。ダメなら家業を継げと。だから僕も２回目は必死でしたよ。

　‐休みの日は何をしている？

　佐藤　週３日くらい休んでいますが、そのうちの２日は体のケア。マッサージで全身をほぐしたり、のんびりと温泉につかったりですね。

　今垣　石川県にも温泉が多いですからね。僕も１週間ほど休みがあれば１、２日は体のケアに充てますね。温泉でゆっくりして、マッサージも念入りにしてもらいます。ただ、ボート選手はオフが少ないんですよ。

　佐藤　そうなんですか？

　今垣　月に18日くらいは仕事ですね。

　佐藤　へぇ〜すごい。競輪とは大違い…。

　今垣　ただ、フライング（Ｆ）や選手責任の出遅れ（Ｌ）をやると、強制的にオフですからね。

　佐藤　それは聞いたことがあります。30日間も休むんですよね。

　今垣　１期（半年）に１回なら30日ですが、２回なら60日増えて、３回なら90日増えて…。

　佐藤　休むと当然、収入はゼロでしょ？

　今垣　はい。かなりキツいですね。