ソチ五輪のイチオシは「アイホ娘」
2014年1月16日
第1ピリオド(P)5分7秒に米山が先制ゴールを決めると、積極的にゴールを狙っていった。高い位置からのディフェンスチェックも機能し、枠内に飛んだシュートは相手の13本に対し、41本。結果は6対0の圧勝だった。
第3戦は強豪スイスの胸を借りた。前日の初勝利後、飯塚監督は「スイスは簡単に勝たせてくれない」と苦戦を予言したが、日本のチームワークが予言を杞憂に終わらせた。第1P8分35秒に平野が1点目を挙げると、第3P9分34秒、チームの大黒柱・久保が値千金のだめ押しゴール。世界5位を破る大金星をつかんだのだった。
最終戦のドイツ戦は連戦の疲労もあって1対3で敗れたものの、飯塚監督は「日本のスピードは通用する。あとは1対1になった時の強さ」と真っ先に収穫を口にしたが、私も素人なりに日本の明るい未来を見た気がした。
その理由は個人的な尺度で恐縮だが、私自身の興奮度だった。相手から体を張ってパックを奪い、ものすごい速さのパスを送り、ゴールの隙間を狙い澄ましてこん身のシュートを放つ。スピードあふれる見事なスケーティング、 仲間同士の息の合った連携、捨て身のチャージ、アシスト、そしてゴール。北米では氷上の格闘技として熱狂的なファンが大勢いるが、それが少しだけ分かった気がした。
第1日は私の同期がスタンドに来ていた。聞くと、今年初めに五輪出場を決めた試合をテレビで観戦し、一度生で見てみたいと思ったのだそうだ。偶然にも彼も私と同じ年齢でアイスホッケーの面白さにひかれたのだ。
メンバーは個性的で魅力たっぷり。主将でエースの大沢、天才ゴールハンター久保、頼れるゲームメーカー平野、成長著しい女子大生DF床、愛くるしい笑顔で人気の足立、クールビューティーGK藤本…。
最初は目まぐるしく動く展開、分単位の選手交代で戸惑った私だが、4試合見ていたら、観戦の仕方も選手の特徴もどんどん分かるようになった。そうなると面白さは倍増する。
というわけでソチ五輪のお茶の間観戦で私の一押しは「スマイルジャパン」。みなさんも一緒に応援しませんか!(デイリースポーツ・松本一之)