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一翔、WBC王座を返上「通過点」

 返上するWBCのベルトを横に置き会見する井岡一翔(撮影・片岡寛尚)
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 返上するWBCのベルトを横に置き会見する井岡一翔(撮影・片岡寛尚)

 ボクシングで日本人初のWBC・WBA世界ミニマム級統一王者になった井岡一翔(23)=井岡=が29日、大阪市内の所属ジムで会見し、WBC王座のベルトを返上すると発表した。20日に行われた八重樫東(29)=大橋=との2団体統一戦で、勝者は一方のタイトルを試合後10日以内に返上することが取り決められていた。練習再開は7月中旬ごろの予定。早ければ年内にWBA王座も返上し、1階級上のライトフライ級に転向して2階級制覇を目指す。

 井岡ジムの方針として、WBC王座を29日付で返上した。11年2月に、一翔がデビュー7戦目の日本最速で初めて獲得した世界タイトル。「統一王者になった思い入れの深い階級だが通過点。統一王者として返上できるのは幸せ。誰かに獲られるのではない」。2階級制覇という次の目標に向けて、既に気持ちは切り替わっている。

 井岡陣営が、新たに獲得したWBA王座を保持するのには、2つの理由がある。統一戦実現のために同王座のオプションを井岡陣営が買い取り、興行権をもう1試合分残している。また、一翔の次戦の相手として、WBA世界ライトフライ級王者のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)に興味を示す。対戦実現のためには、現役のWBA王者から階級を転向した方が、上位で世界ランク入りする可能性が高い。

 興行権の行使については、同ジムの東洋太平洋ライトフライ級王者でWBA世界同級2位の宮崎亮をミニマム級に転向させ、挑戦させたい意向がある。父でプロモーターの一法氏は「秋ぐらいにできればラッキー」とWBA本部(パナマ)への直談判も辞さない構えだ。

 一翔はライトフライ級への転向に「試合でのパフォーマンスも幅広くなり、自分のパワーを引き出せる」と自信を持つ。デビュー6戦目で日本ライトフライ級王座を獲得したように、今度は本来の階級に戻る。WBA世界同級でのランク入りについて、一法氏は「いいところには入る」と楽観する。しかし、2階級制覇挑戦に向けては「WBA、WBCのどちらになるかは分からない。チャンスをもらわないと意味がない」と年内実現に厳しい見方を示した。

(2012年6月30日)

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