13年目にして花開いた苦労人!阪神・岡崎が見せた努力の結実

虎に遅咲きのヒーローが誕生!阪神・岡崎太一が6月3日の交流戦・日本ハム戦でプロ初弾、4日にはプロ初のサヨナラ打!13年目にして花開いた苦労人、決して平たんではなかったその軌跡を振り返ります。

公開日:2017.6.5

“ドラフト候補の一人”から“虎の恋人・ポスト矢野”へ

2004年のドラフトは東北・ダルビッシュ有投手、横浜・涌井秀章投手などの当たり年。阪神は明大・一場靖弘投手、シダックス・野間口貴彦投手の獲得が軸とされており、松下電器・岡崎太一捕手はあくまでドラフト候補の一人でした。しかし一気に虎党からの注目度が増したのは5月25日付のデイリースポーツが報じた「岡崎獲りへ」のニュースでした。

2004年5月25日デイリースポーツ紙面

【2004年5月25日デイリースポーツ紙面より】 阪神が今秋のドラフトで、社会人野球の松下電器・岡崎太一捕手(20)を“ポスト矢野”として獲得を目指していることが24日、明らかになった。岡崎は智弁学園(奈良)の4番として高校時代に注目を浴びたスラッガーで、高卒3年目の今年がドラフト指名解禁となる。阪神サイドは高校時代からマークを続けてきたが、次代を担う捕手として獲得へ本格的に動きだした。
(中略)
 V2を目指す今季、ペナントでは35歳の矢野が全試合でスタメンをマスクをかぶってきた。控えの野口も今年33歳になり、次世代の正捕手を狙う若手の層の薄さは顕著となっている。岡崎の獲得は、今ドラフトの大きなテーマの一つだ。
 今ドラフトでは、自由枠で明大・一場靖弘投手(21)、シダックス・野間口貴彦投手(20)の2人の獲得を最優先に掲げており、現時点で岡崎の指名はウエーバーで4巡目以降となることが濃厚。一方、即戦力捕手としてトップクラスに位置づけられている岡崎だけに、獲得へ動く他球団と競合する可能性もある。ライバルの動向次第では、対策を練る必要も出てくる。
 “打てる捕手”として、ノドから手が出るほど欲しい金の卵。岡田阪神の未来を担う“ポスト矢野”獲得へ、ペナント同様に猛虎が総力戦をかける。

自由獲得枠で阪神入り正式表明!

この年のドラフト直前、目玉であった明大・一場への“裏金”問題が浮上。阪神、横浜のオーナーが辞任する事態にまで発展しました。その顛末はここでは置いておいて、11月4日、松下電器・岡崎は自由獲得枠での阪神入りを正式表明します。ちなみに、もう1枠では大阪ガス・能見篤史投手を獲得しています。

2004年11月5日デイリースポーツ紙面

【2004年11月5日デイリースポーツ紙面より】 社会人No.1捕手の松下電器・岡崎太一捕手(21)が4日、京都府の同社で会見を行い、今秋ドラフトの自由獲得枠での阪神入りを正式に表明。岡崎は「セールスポイントは肩です」と強肩をアピール。4年連続盗塁王の赤星について「1番速い人なんでチャンスがあれば刺してみたい」と、紅白戦などでの“赤星刺し”を宣言した。
(中略)
 捕球してから二塁送球までの時間はわずか1・8秒という強肩が自慢だ。今春のオープン戦で二塁走者を刺した鉄砲肩を見て、松下電器・北口監督は今季からの主戦起用を決めたという。「肩の強いのは知れ渡っていたようで、相手チームが走ってきた記憶があまりないですね」と同監督。担当の畑山スカウトも「プロに入っても強肩の部類に入る。即戦力。ベテラン2人と競ってほしい」と期待を寄せた。
 そして勝負強い打撃。正捕手になるまでの2年間は代打や指名打者での出場が多く、捕手としてよりも打撃のよさが光っていた。6月2日の阪神2軍との交流戦では中林から一発を放つなどその実力はすでに実証済み。畑山スカウトは「古田か谷繁かといえば谷繁タイプ」という強打だ。
 目標は開幕1軍。新人王についても「新人しか獲れない賞ですからチャンスがあれば獲りたい」とどん欲だ。捕手の新人王となればセでは69年の田淵幸一以来、36年ぶりとなる。「小さいころから阪神のユニホームを着てプレーするのが夢でした」という岡崎。次なる夢を手繰り寄せるため、岡崎のタテジマ人生が始まる。

「誰も走らせない」背番号は27、希望あふれる船出

2004年12月2日デイリースポーツ紙面

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