かつての虎エース・能見篤史が引退「やりきった」紆余曲折の野球人生
かつて阪神のエースとしても活躍したオリックス能見篤史投手兼任コーチが今季限りで引退しました。紆余曲折あった野球人生でしたがその表情は晴れやか。さらば〝世界一のワインドアップ〟…ノウミサン、愛してる!
公開日:2022.11.14
混迷極めたドラフト…〝繰り上げ〟獲得
阪神が能見を獲得した年のドラフトは色々と〝すったもんだ〟がありました。この年の目玉は大学屈指の右腕、明大・一場靖弘投手。一時は巨人入りで固まっていたものの、金銭授受問題が発覚し入団は白紙に。
その後、一場獲得に乗り出したのが阪神。ほぼほぼ自由枠での獲得が決定し、デイリースポーツ一面にも「阪神入り決定」の文字が躍っています。
しかしその後、阪神も含めた複数球団も、一場に裏金を渡していたことが発覚。球界を揺るがす大騒動となり、当時のオーナー、球団社長が辞任する事態となりました。
【2004年10月23日デイリースポーツ一面より】
◆明大・一場に25万円!阪神も裏金…久万オーナー引責辞任へ
阪神・野崎勝義球団社長(62)は22日、大阪市福島区の阪神電鉄本社で記者会見し、明大元野球部・一場靖弘投手(22)との間で合計25万円の金銭授受があったことを認めた。責任を取って野崎社長は辞任を表明し、久万俊二郎オーナー(83)=電鉄本社相談役=も辞任する意向であることを明らかにした。
(中略)
8月に巨人が一場への金銭授受を認めた際には「阪神はやっていない。ルールを守っています」と話していた野崎社長だが、その時の球団内調査では「事実に到達できなかった」とし、他のドラフト候補選手、過去の新人選手に対する金銭授受については否定。調査した上で「今回の件だけが特別だった」としている。
この事件によりドラフト戦略も見直しを迫られ〝繰り上げ〟自由枠で獲得することになったのが大阪ガス・能見篤史投手でした。
【2004年11月10日デイリースポーツ紙面より】
◆能見、虎の岩瀬になる!自由獲得枠での入団、正式表明
虎の岩瀬になる―。大阪ガス・能見篤史投手(25)が、大阪市の大阪ガス本社で会見を行い、今秋ドラフトの自由獲得枠での阪神入りを正式に表明した。肩、ヒジの故障を乗り越えての夢をかなえた左腕は「チームが優勝するために力の限り頑張ります」とキッパリ。「中日の岩瀬さんみたいになりたい」と目を輝かせた。
そして、こんな裏話も。