沖縄C注目選手は“変身”大瀬良だ
日本国中が佳境に入ってきた平昌冬季五輪で盛り上がる中、プロ野球各球団の春季キャンプもより一層熱を帯びてきた。リーグ3連覇を目指すカープも宮崎・日南から2次キャンプ地の沖縄に舞台を移し、オープン戦などの対外試合も本格化する。生き残りをかける若手にとっては、正念場となる。
簡単に日南キャンプを総括しておきたい。例年にない寒い気象条件の下、必ずしも予定通りのメニューが消化されたとは言い切れないが、故障者が出ずに終わった点を評価したい。昨年はスタッフの食中毒騒動や、インフルエンザが流行って離脱した選手がいたが、今年は球団内の管理が行き届いていたのか、その心配もなく切り抜けられた。
“タナキクマル”をはじめ、新井、松山、安部ら主力級野手、野村、ジョンソン、薮田、大瀬良、岡田ら主力投手たちもそろって順調な仕上がりで、現時点では何の問題もない。強化選手に指定されていた西川や野間、美間、坂倉らも元気さをアピールできた。ここまでは首脳陣の思い描く通りに来ているのではないだろうか。
ほとんどの選手が順調となれば、ここからの“ふるい落とし”がより厳しくなる。そんな沖縄2次キャンプ、個人的に注目するのは投球フォームを少し変えた大瀬良だ。昨年は2桁勝利を挙げたとはいえ、試合の中盤で息切れするケースが目立った。最後の“決め手”に欠き、いたずらに球数を要したことが原因で、今年は新フォームの下、1球1球の精度を上げる工夫をしている。これには緒方監督らの評価も高いのだが、対外試合でそれを継続できるかどうか。
先発投手陣に関しては、ジョンソン、野村、薮田、そしてこの大瀬良と4枚は確定。岡田も当確ラインで、残る最後の6番手が混戦になっている。現状で言うと、九里、中村祐を押しのけて2年目左腕・高橋昂が入ってきそうな気配。主力クラスの状態をチェックしつつ、若手の動向にも注視していきたい沖縄キャンプである。