3連覇へ、原監督の“アメとムチ”とは
1日のオリックス戦で3連勝し、交流戦で単独首位となった原巨人。だがそれまでのリーグ戦では昨季ほどの勢いがなく苦戦した。
5月16日の広島戦では、今季ワーストの5連敗を喫した。原辰徳監督は、何とか選手を鼓舞しようとして必死に動いた。
象徴的だったのは、5月末の交流戦で不振の長野を9番に据えたケースだ。開幕は3番で迎え、1番にも座った。9番となると、長野のルーキー時代の2010年以来となる。今季、セの主催試合では、DH制が採用されるため思い切って打順を下げた形。これは言うまでもなく、“作戦”だ。
指揮官は“9番・長野”についてこう話した。「(長野の打順は)どこがいいんだろうと試行錯誤しながら。合う打順はないね。合う打順を探してもらいたい」。リーグ戦ならば9番は投手が座る打順。あえて長野をその打順に入れることで、当の本人の奮起を促した形だ。
“ムチ”だけではないのが原監督流。5月30日の甲子園での全体練習では長野に約1時間の熱血指導をし、完全復活をサポートした。フォローを忘れることはない。絶妙のタイミングで“アメとムチ”も使い分けているのだ。
主力であろうが、控えであろうが、結果を出せない選手に対して手厳しいことに変わりはない。今季は阿部が極度の打撃スランプに陥った。その際も「あんまり打たない。小さなおむすびで食べられる」と独特の言い回し。「小さなおむすび」で相手投手に簡単に食べられるという意味のようだが、これも大黒柱の阿部に刺激を与えるための発言だろう。
助っ人のロペスでも打てなくなると打順を下げ、スタメンから外すこともあった。代わりに1軍に昇格したばかりの中井、亀井を早めにスタメンで起用し、実力を引き出した。
原監督の頭の中にあるのは、やはりチームが勝つことのみ。実力至上主義も、リーグ3連覇を目指す今季、変わりはない。打てる手は何でも打ち、チームを勝利に導く構えだ。
(デイリースポーツ・伊藤玄門)
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