呉昇桓の愛弟子、岩本&金田が覚醒した

 開幕まで約1カ月。阪神1軍キャンプでは、2人の“スンファン・チルドレン”が躍動した。年明け、呉昇桓がグアムで行う自主トレに志願参加した高卒5年目・岩本と、大卒3年目・金田だ。

 開幕ローテ入りを狙う岩本には覚醒の予感が漂う。直球にスピードと力強さが加わり、登板3試合、計8回をわずか1失点。3回無失点の17日・練習試合(対楽天)に続いて、22日・オープン戦(対中日)も3回2安打無失点と好投した。

 昨季、中継ぎと先発で5勝を挙げた金田の評価も高い。キャンプ前半、臨時投手コーチを務めた江夏氏は打撃投手を務める金田を見て、「本能むき出しで放っていた」と闘争心を絶賛。例年、期待の若手が担う初実戦の“開幕投手”にも抜てきされた。

 もちろん、成長した理由は1つではないだろうが、守護神と汗を流した合同自主トレは間違いなくきっかけになったはずだ。昨シーズン終了後、呉昇桓は若手へ“スンファン道場”の門戸を開いた。

 「自分は全然いい。お互い得るものがあるだろう。(希望者が出れば)しっかりと話し合っていきたいね」

 これに手を挙げたのが岩本と金田だった。約10日間の自主トレ。2人は苦悶の表情を浮かべてトレーニングに励む呉昇桓の姿に、目を丸くしたという。「あれだけの選手でもあそこまでやるんだと思いました」と岩本。金田も「本当にグアムに行って良かった。いい経験になりました」と収穫を口にする。

 2人が学んだのは、ストイックな姿勢だけではない。直接、技術指導も受けた。「右足で強く蹴る」投球フォームがそうだ。さらに投球につながるトレーニングの意味を理解したことで、練習への意識も変わったという。

 師匠は愛弟子2人の成長を温かくも厳しい目線で見守っている。

 「今のところいいけどシーズンに入ってキープすることが大事。選手は調子がいいときもあれば、悪いときもある。調子が悪い期間をどれだけ短くできるかが大切だ」

 積極的に若手の面倒を見る守護神に首脳陣は最敬礼だ。山口投手コーチは「ありがたいな」と感謝し、岩本、金田についても「意識が高いから一緒にやろうと思ったんやろう。しっかりスンファンの動きを学んできた」と、うなずいていた。

 後輩投手は呉昇桓を親しみを込め「ヒョンさん」と呼ぶ。韓国語で、「アニキ」という意味だ。来日2年目。グラウンド内外でその存在感は大きくなっている。

(デイリースポーツ・杉原史恭)

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