【野球】混沌とする来季の巨人内野陣
巨人の内野陣が、激しい競争下に置かれることになった。今オフの戦力補強で西武からFA宣言した脇谷亮太内野手が3季ぶりに復帰。さらに、元ロッテのルイス・クルーズ内野手を獲得。両者ともに実績は申し分なく、内野手の層は確実に厚くなった。
片岡や村田、坂本ら主力内野手に故障者が相次いだ今季。それを補う若手も取って代わるまでには至らなかった。来季のV奪回へ堤GMは「競争の原理を内野に持ち込まないといけないと思った」と話し「脇谷とクルーズがレギュラーになることだってある」と言い切った。
一塁・阿部、遊撃・坂本は揺るがないと見られるが、内野陣を預かる井端内野守備走塁コーチは「(普通なら)坂本なのかな、と思うけど、そうは言いたくない。彼のためにも、他の選手のためにも」と横一線を強調。「結果もそうだけど、内容も大事。安泰な人は1人もいない」とフラットな目で見極めていく方針だ。
実績のある2人の加入で、今後レギュラーを狙う若手や中堅選手にとってはこれまで以上に厳しい環境となる。球団側は吉川らに対し契約更改の席で「腐らないでほしい」と伝えたという。競争激化を前向きに捉え、闘争心に火がつくことを期待しての言葉だった。そんな中、台湾でのウインターリーグに参加していた昨年のドラフト1位・岡本は19試合出場で20打点を挙げ、打点王に輝くなど収穫を得て帰国。来季へ手応えをつかんだ。
若手から中堅、ベテランまで混とんとする内野のレギュラー争い。「(レギュラーは)ガラガラポンで決めてほしい」と堤GM。判断を迷わせるだけの環境は整った。あとは高橋監督ら首脳陣が、どのような決断を下すのか。キャンプ、オープン戦は猛烈なアピール合戦の場となりそうだ。(デイリースポーツ・野畑圭司)