【野球】ロッテに新入団サントスはダフィー、パラデスの刺激剤になる
開幕から貧打にあえぎ続けていたロッテがチーム打率をやっと2割台にした26日、新外国人選手が入団発表を行った。フロントによる「テコ入れ補強」である。
キューバ出身のロエル・サントス外野手、29歳だ。今春のWBCでキューバ代表の一員で来日し、1番打者として「走り打ち」が話題となった。
伊東監督は5月18日にサントス獲得が発表されると、こんなコメントをした。「絶対的に必要という感じではない」
もちろん、これには前段がある。ロッテが調査に動いたのは開幕前で、この時点では伊東監督も、「(1番として)面白い」とみていたという。それも「クリーンアップがしっかりと機能していることを前提にしての「面白い」だった。
ところが、デスパイネに代わる新外国人選手として獲得したパラデス、ダフィーの両外国人選手が開幕から不振に陥り、クリーンアップの役割を全く果たしていない。
ロッテの1番には開幕から荻野、伊志嶺、岡田、加藤、根元、そして最近は大嶺翔が座っている。
なかなか固定できない状況に、フロントは「足も速く外野守備もいい。理想的なリードオフマン」と話す。
確かに補強ポイントの1つだが、現状からすれば、現場にとって「ノドから手」はクリーンアップを任せられる戦力だ。フロントと現場の間でのちぐはぐな印象は否めない。
だが、伊東監督は一方でこうも言った。
「でも、起爆剤として新しい風が必要だ」
フロントは大砲の調査を引き続き行っているというが、獲得までこぎつけるかどうか、分からない。ならば、サントスには両外国人選手の“刺激剤”としての役割を期待するということだ。
パラデスは28日現在、26試合で13安打(2本塁打)、打率・153、ダフィーは38試合で25安打(6本塁打)、打率・212。
確かに助っ人としては物足りないが、ダフィーはサントスが来日した25日のソフトバンク戦で来日初の2本塁打を放っている。パラデスもこのままではいられない。
サントス自身もロッテ入団を「名誉」と捉えて感激している。キューバ政府が日本に送り込んだ助っ人は今年10人もいない。いわば、選ばれた野球エリートなのだ。
もちろん、キューバでの年俸はある一定程度決まっているが、ロッテでの働きいかんによっては“ジャパン・ドリーム”をつかむことも可能だ。
早ければそのサントス、30日に開幕する交流戦・阪神から登場の可能性が出てきた。
ちなみにチームは入団発表した26日から今季初の3連勝を飾った。(デイリースポーツ・菊池順一)