【野球】愛された助っ人元阪神の郭李建夫氏、指導者として活躍 日本と台湾の懸け橋に
1990年代に阪神の投手として活躍した、台湾出身の郭李建夫氏(48)が古巣のマウンドに帰ってきた。
甲子園球場で実施された「台湾デー」にちなんで、14日に始球式に登場。「結構、緊張したけど、マウンドに立つと現役時代を思い出したよ」と98年以来となる懐かしのマウンドからストライク投球を披露した。
郭李氏が着ていたユニホームは背番号20のタテジマではなく、現在監督を務める、台湾の開南大学のもの。上が黄色なのが、阪神を連想させて、ほほえましく感じたファンも多かったのではないだろうか。
バルセロナ五輪の台湾代表エースとして銀メダルを獲得した右腕が阪神に在籍したのは1993年からの6年間。最高順位が4位と低迷していた時期とあって「あの頃はあまり強くなかったけど、今は強いね」。古巣の状況はインターネットでチェックしているそうで、首位・広島とのゲーム差も口にし「投手がいいし、今年は優勝するんじゃないかな」と虎ファンには心強い予言もあった。
リリーフに先発にフル回転していた郭李氏が退団してから約20年。それでも来日に際しては空港まで熱心なファンが出迎えに訪れていたという。球場内でも顔見知りのスタッフたちと再会を喜び合ってハグしたり、握手したりと大忙し。
始球式前のトークショー会場には元同僚で俳優として活躍する嶋尾康史さんの姿も。仲の良かった中込伸さんが経営する店にも顔を出して再会するなど交流は続いており、あらためてファンやチームメートに愛された助っ人だったと実感した。
郭李氏と言えば、来日1年目のヤクルト戦で飯田の打球が股間に直撃しながら打球を処理し、その後救急搬送されたアクシデントが語り継がれている。阪神時代に結婚した奥さんとの間には、2人の子供がいるそうで「今は息子、大学4年。娘、1年生」。その言葉に、病院に取材に通った日々を思い出し、ホッとした。
現役引退後は、指導者として着々とキャリアを重ねている。14年には21歳以下のワールドカップの台湾代表監督として優勝。決勝で破った相手は、阪神で共にプレーした平田勝男監督(現・1軍コーチ)率いる日本代表とあって、「あの時は勝ちました」とちょっと誇らしげな表情を見せた。
昨年のドラフトで巨人から7位指名された、身長2メートル1センチのリャオ・レンレイ投手は、開南大学での教え子。リャオ投手は、巨人の3軍メンバーとして、ちょうど台湾遠征に参加。それぞれが、日本、台湾に“凱旋”する偶然が重なった。
始球式には台湾メディアも取材に訪れており、かの地での郭李氏の注目度をうかがわせた。大学代表監督の肩書きもあり、今後も台湾球界を引っ張っていくことになるのだろう。球界のみならず、今回の「台湾デー」のように、今後も台湾と日本の懸け橋としての活躍も期待したい。(デイリースポーツ・若林みどり)
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