【野球】虎の新助っ人ロサリオは本物か?オープン戦で注目すべき対戦は…

 プロ野球の春季キャンプも終盤を迎えた24日、2018年オープン戦が開幕した。金本阪神の注目は4番候補の新外国人、ウィリン・ロサリオ内野手(29)=前韓国・ハンファ=である。初戦のヤクルト戦(浦添)は欠場したが、25日の中日戦(北谷)から出場予定だ。

 ここまでの紅白戦、練習試合計5試合の実戦成績は11打数8安打、打率・727。3本塁打、9打点の数字が示すように評価および評判は上々である。推定年俸3億4000万円の新助っ人に寄せる虎党の期待は日に日に高まっている。

 ロサリオは果たして本物なのか-。ある球団のコーチが、他球団の新外国人打者に対する攻め方の基本を説明する。「まずは直球を中心に打てるところに投げる。最初は変化球を投げない」という。「どこを打てるのかが先。最初はインコースをストレートで攻める。多くの外国人がそこは打つ。でも、それはシーズンでは投げてはいけないという確認の意味もある」と話す。

 2月の練習試合には、1軍生き残りが懸かった若手投手が登板するケースも多い。それでも打たれることは想定済みで、来るべきシーズンを見据え、チーム方針として直球勝負を徹底させる場合があるという。

 しかし、オープン戦に入ると攻め方は変わる。「今度は変化球も交えて、弱点を探っていく。オープン戦で対戦すると、だいたい分かってくる。これは昔からどこの球団でも同じだと思う」と付け加える。

 別の関係者が証言する。味方投手が投げるシート打撃や紅白戦はあまり参考にしていないという。「やはり他球団相手の実戦でないと、投手は本気を出せない。味方の選手にはぶつけられないので、攻め方がどうしても甘くなる。特に新外国人に厳しい攻めは絶対に無理」と言い切る。

 外国人打者の場合、日本での成否のカギを握るのは変化球への対応となる。特に外角へのボールになるスライダーの見極めである。判で押したように空振りを繰り返す新助っ人は少なくない。「いい外国人は振らない。選球眼がいい。昔でいうと、ペタジーニ(ヤクルト、巨人など)やローズ(横浜など)なんかも絶対にボール球は振らなかった。さらに逆方向に強い打球を打つことができた」と振り返る。

 さらに別の球団のコーチ経験者は「同一リーグだと、オープン戦に入っても互いに手の内を隠すことがある」という。だが「違うリーグだと、基本的には普通に勝負する。オープン戦ではそちらのデータの方がはるかに参考になる」と話す。ロサリオに関しては「パ・リーグのエース級との対戦を見た方が参考になるかもしれませんよ」と教示する。

 今年の阪神は3月3、4日のソフトバンク2連戦(ヤフオクドーム)を皮切りに、同23~25日のオリックス3連戦(京セラドーム)まで、パ・リーグ球団とは7試合のオープン戦が組まれている。この“七番勝負”をロサリオのシーズン中の活躍を占う試金石とするのも一つの見方であり、楽しみ方でもある。(デイリースポーツ・斉藤章平)

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