【野球】番記者が明かす阪神・ミエセスの素顔 好物はカレー 何度もドリンクを差し入れしてくれたナイスガイ
阪神のヨハン・ミエセス外野手が日本一達成翌日に帰国した。Vシーズンとなった来日1年目、グラウンド内外で存在感を放った愛され助っ人。愛嬌たっぷりのキャラクターに加えて、取材で見せてくれた“さまざまな素顔”を紹介する。
甲子園での登場曲に、初夏からはビヨンセ「Crazy in Love」を使用。日本でも、人気タレント・渡辺直美のネタ楽曲としておなじみだ。ビヨンセ好きか?直美好きか?本人に確認したところ、意外な返答だった。
「あんまり好きな曲じゃないんです…。誰かに変えられて」。チームメートからのサプライズだったが、曲変更に1週間以上も気付いていなかったという。打席に集中するあまり、音楽が耳に入っていなかった可能性もあるが、天然キャラを感じさせるエピソードだろう。
185センチ、120キロ。“大食いの風格”を漂わせる体格だが、来日直後から日本食を堪能。中でもお気に入りは、球団施設で出されるカレーだ。CSファイナルS直前にはフェニックス・リーグ参加のため訪れていた宮崎で、名物のチキン南蛮にも舌鼓。タルタルソースのとりこになって、炭火焼き地鶏にまでかけて味変していた。ただ、日本の“締め文化”にはなじめず。2軒目のラーメンには「まだ食べるの?」と驚いて、ほとんど箸をつけなかった。
陽気な顔がクローズアップされがちだが、野球への向き合い方は真摯だ。リーグ優勝後、甲子園で印象に残っているシーンを聞いた。しばらく黙り込んで熟考してから、「満塁の場面で出て、見逃し三振したことがあって。あまり今までなかった感覚で。バットが出なかった。印象に強く残ってます」と答えをひねり出した。
6月3日・ロッテ戦、11回無死満塁のサヨナラ機に代打起用された場面。カウント2-2から広畑のカットボールに反応できず。聖地での思い出は“歓喜”より、“悔恨”が胸に深く刻まれていた。打てなかった悔しさは原動力だった。
報道陣に対しては優しさにもあふれた。ケガで降格していた8月。炎天下の鳴尾浜で取材に取り組む記者には、幾度となく冷えたドリンクを差し入れしてくれた。来日1年目のシーズン成績は、打率・222、5本塁打、16打点。助っ人としては物足りなさも感じさせるが、球団は成長途中と捉えて、来季残留が濃厚だ。虎党は満面に笑みのミエちゃんが、日本に戻ってくる日を待っている。(デイリースポーツ・丸尾 匠)