【スポーツ】衝撃KO負けの朝倉未来は本当に引退するのか-激励コメント殺到も懸念される脳へのダメージ 試合後は脳震盪の症状で記憶障害も

 総合格闘家の朝倉未来(31)が、19日の試合で衝撃的なKO負け。チャンネル登録者329万人の人気YouTuberとしての顔も持つ、格闘技界のスーパースターの進退に注目が集まっている。

 朝倉はYA-MANがプロデュースする新格闘技イベント「FIGHT CLUB」で初のキックルールでの試合に挑み、初代RISE王者でもあるYA-MANに開始77秒でKOされた。

 試合後はダメージが大きく、予定されていた取材対応はなし。主催者によれば、病院には向かってないものの、脳振とうが酷い状態だったという。実際、朝倉は試合後に自宅で撮影したYouTube動画では、脳振とうの症状とみられる記憶障害が起きている様子で登場。自身のインスタグラムにも、「全く記憶がなくて、自分が何者かもわからない状態で朝倉未来を調べて客観的に見てみて、これはもう引退ですね」などと記した。

 7月のRIZINでのフェザー級王座戦でケラモフに敗れて以来、4カ月ぶりの復帰戦での連敗。朝倉の引退言及の投稿には5000件超のコメントが殺到し、「大晦日MMAでヤーマンと試合して下さい」、「今はゆっくり休んで下さい」、「引退なんか嫌だよ」、「引退は今回じゃない」などの声が寄せられている。

 朝倉が引退に言及するのはこれが初めてではない。以前から「30歳で引退」を公言し、21年6月にRIZINでクレベル・コイケに一本負けを喫した際も「自分の幻想が崩れた。引退も考えてみてって感じですね」と語った。結果的に再起の道を選んだが、今回も胸中が揺れ動いているのは間違いない。

 格闘家が敗戦した試合後に判断がつかなくなり「引退」の2文字を口にすることも、撤回することも珍しいことではない。しかも今回は相手の土俵。勝ったYA-MANも、「朝倉未来は雲の上の存在だったので、勝ったのかな?全く実感がない」と敬意を示し、「今回は自分の土俵で、相手は(キック)デビュー戦。野球とソフトボールくらいルールが違う。次は大みそかにMMA(総合格闘技)でやりたい。これで朝倉未来に勝ったとか全く思ってないので」と語っている。

 人気格闘技イベント「ブレイキングダウン」の社長も務め、多くの選手からターゲットにもされる朝倉。「格闘技界のために」と口にすることも少なくなく、簡単には引退できない事情もあるだろう。

 一方で、懸念されるのは脳へのダメージ。朝倉は22年9月に行ったフロイド・メイウェザーとのボクシング対決でもKO負けを喫したが、数カ月経過しても頭痛やめまいの症状を訴えていた。「もしかしたら髄液とかも漏れているかもしれないから。いきなり脳梗塞とか倒れることあるから、危険ですよね、格闘技は」と語り、脳の精密検査を繰り返していた。

 ボクサーや格闘家、コンタクト競技のアスリートは引退後に脳への障害が出ることもある。BDの溝口勇児COOは試合直後、自身のSNSで「もうしばらく試合は休ませてあげてほしい。メイウェザー戦の時も頭痛を揶揄されてたけど、痛みにあれほど強い男が、ずっと頭の痛みを訴えてた。今回の試合だって本当は出る気なんてなかった。すべては本人の意思じゃなくて、ファンや格闘技業界が望むからだよ」と、などとつづっている。

 朝倉は試合翌日の20日、インスタグラムに再投稿。「生きてます、記憶戻った 沢山のコメント、メッセージありがとう 1回休憩して、色んなこと頑張んないとな」と、今後に含みを持たせた。不良から成り上がり、「路上の伝説」とまで呼ばれる格闘技界のスター。今後どのような道を選択するのか、注目が集まる。

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