神戸・長田の超太っ腹バル 利益度外視!サービス満点!
おやじが好きそうな京阪神の立ち飲み屋さんを紹介しよう、と始まったこのコーナー。今回は“番外編”だ。神戸市長田区にある「P-BAL(ピーバル)」はカウンター席とテーブル席の店。サービス精神にあふれ、その安さとボリュームは魅力いっぱい。若者だけに独占させるのはもったいないとばかり、おやじ記者が忍び込んだ。
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すべてにおいて太っ腹な店だ。これまで立ち飲み店を取り上げてきたけれど、ここまでサービス精神にあふれ、粋に感じる飲食店を知った以上は触れざるを得ない。
オープンしたのは昨年の11月9日。経営者の若松良忠さん(39)によると「一度も黒字になったことがない」とのこと。ホンマかいなと思ったが、話を聞いているとなるほど納得。こちらが心配になるほど利益を度外視している。
そもそも若松さんは空調・配管施工など扱う株式会社「P-WAY」を営んでおり、出店の動機は「社員が楽しく飲めて、出会いがあればいうことなし。社員食堂のようなつもりで始めたんですよ」とのことだった。「地域の人に喜んでもらおうと。そのために値段を安くしています」
とはいっても、このサービス精神はどんだけ、とうなってしまう。例えば、場合によっては飲食代の半額というプランがある。まずは4人以上、当日ではない「前予約」で会計の際、無条件で10%オフ。さらに抽選で10%から最大40%の割引があり、運が良ければ、トータル半額の恩恵にあずかることができる。
これ以外にも午後7時までに入店すると日本酒、焼酎、チューハイ、ハイボール、ワインなど50種類以上あるアルコール類がすべて280円で最後まで何杯でも飲み続けることができる。
食べ物の種類も豊富だ。中でもこだわっているのが肉料理とたこ焼き。たこ焼きは若松社長が小学校時代に食べていた味がベースになっており、食べ歩きの末に3年かけてたどり着いた粉が自慢。肉料理もおいしく、一押しのチャック(肩ロース)ステーキ、リブロースステーキはともに100グラム780円から。
ホールを任されているのはノブ店長と来華(らいか)さん、菜々美さん。3人は「こう見えて仲が悪い」と笑い飛ばす。みんな明るくて愛想がいい。フルーツチューハイ(各480円)に力を入れており「すべて自家製。ぜひ味わってください」と教えてくれた。
訪れた日は土曜日の午後6時すぎ。カウンターはすでにチューハイ目当ての女性客で埋まり、奥のテーブル席では3人の主婦による女子会が始まっていた。この還元率なら当然か。競馬帰りのおやじ記者も食べて飲んで、しこたま酔った。ウーン、満足。それと1人だけ気に入った女性がいたことを付け加えておく。
◆大衆ダイニング「P-BAL(ピーバル)」 神戸市長田区水笠通4の5の2 神戸市営地下鉄「新長田駅」から徒歩3分。JR「新長田駅」から徒歩5分。神戸高速鉄道「西代駅」から徒歩6分。営業時間は午前11時30分~午後2時、午後6時~深夜0時、木曜定休。カウンター、テーブル合わせ30席 問い合わせTEL078・786・3302