生まれ変わった787系つばめ JR九州の新たな超豪華観光列車に乗った!
JR九州に新たな観光列車が登場した。その名も「36ぷらす3」。曜日ごとに運行コースが分かれ、木~月曜の5日間で九州を一周する。先月16日から走り始めていたが、「令和2年7月豪雨」による「肥薩おれんじ鉄道」(八代~川内)の被災区間が復旧し、19日から木曜ルート「赤の路」も運行を開始。博多から鹿児島中央まで、「ななつ星」や「或る列車」の流れを組む超豪華列車に鉄っ子記者が“潜入”した。
九州は世界で36番目に大きい島って知ってました!?そこに「驚き・感動・幸せ」をプラスして“走る九州”を体現した列車が「36ぷらす3」だ。
1992年に登場し、日本の特急電車の概念をぶち壊した“名車”787系を、生みの親でもある工芸デザイナー・水戸岡鋭治氏が、「800系新幹線や『ななつ星』よりも難しかった」と苦労を重ねながらも超豪華仕様によみがえらせた。
漆黒に輝く6両編成は本物の木材を使用した“水戸岡デザイン”が満載だ。格天井や光天井、重厚な家具など各車両ごとに使用される木材や座席の柄の色も違う。個室の1号車、座席の6号車はなんと畳敷き!6号車には下駄箱や畳スペースまで装備されている。
見覚えがある座席の形状は九州新幹線800系と同じタイプ。背もたれには鉄道業界では初採用の革製の多目的ポケットが。窓には豪華寝台列車「ななつ星」や「或る列車」でおなじみの伝統工芸・大川組子と障子がはめ込まれ“特別な空間”を演出している。
3号車は17年ぶりに復活したビュッフェ。壁や床にはコロナウイルスに強いといわれる銅板を採用。白い格子天井がひときわ明るい4号車のマルチカーは、「九州のお茶体験」など車内イベントに活用される。
列車の旅の楽しみは何といっても食事。各コースごとに沿線の食材を生かした極上料理が提供される。「赤の路」では、寿司職人がビュッフェで自慢のネタを握っていく(鮨プラン)。
停車駅での“おもてなし”も楽しいひとときだ。「赤の路」では玉名駅と牛ノ浜駅に長時間停車し、地元の特産品の販売や、ゆるキャラとふれあうことができる。
車窓も見逃せない。「赤の路」では、旧鹿児島本線の肥薩おれんじ鉄道に乗り入れる。窓に広がる有明海を望みながらゆったりとした時間が流れていく。
博多から鹿児島中央まで6時間半。九州新幹線ならわずか80分だが、超豪華列車の旅を堪能して料金は1万6860円から(座席のみ)と、「ななつ星」を比較すれば乗りドク感はかなり高い。5つのコースから目的地に合わせて選べるのもうれしい。気軽にいける豪華列車の旅。オススメです。