女将と看板娘2人あでやか着物姿でおもてなし…大阪・千日前の立ち呑み処「小町」
謹賀新年。今年の「おやじ立ち飲み」のスタートを飾るのは大阪・千日前の「千日前中央通り商店街」にある立ち呑み処「小町」だ。お酒の種類も豊富で料理の味も◎。何より、女将のしゃべくりと看板娘2人の笑顔が自慢だ。
新年早々、千日前通りから1本南へ下った「裏なんば」をぶらりと歩いていると、華やかな看板の立ち飲み屋が目に飛び込んできた。ちらりとのぞくと、着物姿のあでやかな女性が3人。「なかなかいい雰囲気じゃない」と思った次の瞬間、吸い込まれるように店内に入っていた。中はL字型の長いカウンター。反対側には小さなテーブルが3つ。基本は立ち飲みだが、座っても飲めるようにイスも置かれている。
オープンは2017年6月。わずか1年半余りとはいえ、激戦区の中ですっかり定着しているようで、取材した日もカウンターはほぼ満席。客の大半は女性で奥のテーブルには車いすで訪れた母娘の姿もあった。
「お客さんの層は幅広くてカップルから女性同士、団体とさまざま。気がつけば、お客さん同士が仲良しになっている。そんなお店です」とは美代子ママ。中には毎週、京都から泊まりがけでくる猛者もいるそうだ。
なるほど、カウンターの奥では和子(あいこ)ちゃんと由佳ちゃんの看板娘2人がテキパキと笑顔で接客。人気の秘密はここらにあるのかもしれない。
もちろん、メニューも納得のいくものだった。美代子ママが「日本酒と焼酎の種類が豊富で安いところ。この周辺のお客さんは値段にシビアな面もありますから」と話す通り、価格は380円が中心。プレミア銘柄の「十四代」(半合800円)から中堅どころの「日高見」(半合450円)なども手頃な価格で飲めると好評だ。
料理の種類も豊富。今回はマグロ中心の「お造り3種盛り」(680円)をはじめ、マグロのカマ(580円)、和牛どて焼き(380円)、マカロニサラダ(280円)などを注文した。家庭料理が恋しい人にはピッタリだ。
たまたま左隣になったアパレル関係のOLに聞くと「いろいろなお酒が飲めるので週3回は来ています」と話し、右隣の女性看護師も「ごはんがおいしい。お勧めはハンバーグ、それと白ワインかな。みんなとしゃべるのが楽しいし、何よりママの人柄が一番の魅力です」と力説した。
遠巻きに聞いていた美代子さんは照れ笑いを浮かべ「今年も喜んでもらえる店になるように、一期一会を大切にしたい。3人で頑張ってまいりますので、皆さんよろしくお願いします」と抱負を口にした。人柄のいい女将と看板娘2人。千日前界隈に来たときは、また癒やされに訪れたい店だ。(デイリースポーツ特約記者・山本 智行)
にぎわう店内。右端が和子さん、隣が由佳さん