ラスベガスは街ごとアミューズメントパーク ショービズ、買い物、グルメも!
米ラスベガスを“カジノの街”と言っているようでは古すぎる。今はエンターテインメントをはじめショービジネス、ショッピングにグルメが主流だ。巨大で派手で超豪華。古代エジプトがあればパリやニューヨークもあり、街全体がアミューズメントパークと言っていい。名門ホテル「シーザーズ・パレス」を中心に“眠らない街”を味わいつくした。
何から書こうか迷ってしまう。“不夜城”ラスベガスは日に日にアップデートされ、郊外にも大型ホテルを建設中。しかし、最近の流れを象徴する場所と言えば、やはりここだろう。5年前、中心部のストリップ地区にできたエンタメ・ダイニングゾーンの「リンクプロムナード」だ。ストリップと言ってもあのストリップ劇場とは全く関係ない。
400メートルほど続く遊歩道の両側にレストランやバー、ショップが軒を並べ、幅広い層が楽しめるようになっている。ふと見上げると空飛ぶ人間。世界一の都市型ジップライン「FLY LINQ」だそうで、この一角は年間2000万人が訪れる人気エリアだ。ジップラインとは宙に張ったワイヤを滑車で滑り降りる空中散歩のこと。アウトドアでの遊びとして発達した。
さらに歩くと視線の先には「ハイ・ローラー」がそびえ立つ。高さ550フィート(168メートル)という世界一高い観覧車。最大40人乗りというキャビンが28台あり、1周30分。追加料金を払えばバーカウンター付きの飲み放題プランもある。
次は本丸ともいうべき「シーザーズ・パレス」を紹介しよう。1966年に建てられた古代ローマ風の老舗ホテル。ジュリアス、アウグストゥスなど5つの棟からなり、客室数は4000室もある。
かつて特設会場では数々のビッグマッチが組まれ、ボクシングファンには憧れの場所。現在は統合型リゾート(IR)としてエンタメと「MICE」(別項)に軸足を置き、強敵ひしめくラスベガスで革新的な取り組みを実施している。
そのひとつが音楽業界誌「ビルボード」に過去10年で最高のライブコンサート会場とたたえられる「コロシアム」だ。元は世界の歌姫セリーヌ・ディオンの常設公演に合わせて建設され、03年にオープン。現在は最新鋭の設備を投入するため、工事中で間もなくマドンナのこけら落とし公演で幕を開ける。
宿泊代は1泊2~3万円の部屋もあれば350万円の部屋も。広さは380平方メートルで隠れんぼもできそうだ。
そんなことを書いているとお腹がすいてきた。続いてはグルメだ。シーザーズ・パレス内ならまずは「ノブ・ホテル」がお勧め。世界的に有名な日本人シェフの松久信幸さんと俳優ロバート・デ・ニーロが共同経営しており、値段はかなり高めだが、一度は訪れたい料理とおもてなしだ。
最後は夜のお楽しみ。マジック界の重鎮クリス・エンジェルの奇想天外なイリュージョンを堪能した。ほか、ナイトクラブ「オムニア」の会場はタコつぼのような5階建てで人種のるつぼ。DJに乗せられ、年甲斐もなく踊り狂ってしまった。これがラスベガス。こんな楽しくて夢のような場所はない。(デイリースポーツ特約記者・山本智行)