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イチロー「特別な一日」移籍即古巣撃ち

2012年7月25日

　マリナーズ戦の三回、素振りをしながら、ヤンキースでの初打席を待つイチロー（共同）

　「１１年半、本当に長い時間いろんなことがありましたし、そういうことが思い浮かぶのかなあと想像してたんですけど、ああいう反応を目の当たりにすると真っ白になりますね。なんにも思い浮かばなかったです。ただただ、その瞬間に感激した。今日の１日を特別なものにしてくれた」

　右手で高々とヘルメットを掲げて、深々と頭を下げる。一塁側、三塁側、そして、センター方向へ。この日まで自分を支えてくれた人たちへ感謝の気持ちを表現した。

　高ぶる感情のままに立った打席でしっかり魅せた。２球目、外へ逃げる１５０キロのツーシームを中前へ。後続打者の３球目には二盗も決めた。「なんとかそれをしたかったですからね。僕の体はすごく軽いですけど、今日はすごく重く、自由自在に動くという感じではなかったですから、あの瞬間に解き放たれた」。どよめきと歓声。全身全霊のプレーで見る者の心を揺さぶった。

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