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イチロー 不可解判定で球審にらむ

2014年7月6日

 イチローが立体的な思考でプレーしたのは三回の守備だ。9番ファルドが放った右翼線へのゴロ打球に素早く反応。グラブを懸命に伸ばし、捕球後は鋭くターンし。中継に入った二塁手へ返球。打者走者を一塁で釘付けにした。

 流れるような一連のプレー。イチローは「ボールまで早く行くことがまず1つ」と言ってから「その後はセカンドにどんな送球を見せていくか、ですね」と続けた。

 見せる送球。長打を想定して一塁を回りかけたファルドはイチローの捕球を見てすぐに帰塁した。しかし、イチローはなおも“攻撃”の手を緩めることなく、中継に入った二塁手へレーザービームでボールを返した。「それはそのあと(のプレー)に影響するからね。次のために、ですね」。右翼方向に弾き返しても長打は難しい。その意識を一塁上の走者だけでなく、敵軍全員の頭の中に植え付けるためにイチローが仕掛けた頭脳的プレーだった。

 この日のイチローは二回に中前打を放った。両軍無得点の五回無死一塁の打席は一ゴロ。二封で一塁に残った後、今季6盗塁目となる二盗を成功させ、暴投と左前適時打で先制のホームを踏んだ。しかし七回に追いつかれると、最後は延長戦負け。ヤンキースの勝率は再び、5割に戻った。

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