独立L史上最高ドラ2又吉にかかる期待
【香川・又吉克樹投手】
1日、独立リーグ史上最高となる2巡目指名を受けた又吉克樹のもとを、中日から中田宗男スカウト部長、正岡真二スカウトがあいさつに訪れた。正岡スカウトが語る。
「今年の初めか。『良くなったよ』と言うから、どれくらい良くなったのかなぁと思って見に来て。まぁ期待はあんまりしてなかったんだけど『おぉ!全然変わったなぁ!』と。そっからだよな」
大学時代にも目にはしていたが、当時のイメージと言えば「スピードはあるけれど、ただ投げてるだけ」のサイドスローでしかなかった。アイランドリーガーとなった又吉の姿は、過去のイメージを180度ひっくり返すだけの強いインパクトに満ちていた。
「投げ方がゆったりしてきたこととボールのキレ、伸び。それと右バッターのアウトコースに来る“クロスファイヤー”ね。これが素晴らしい」
前期MVPに続いて最多勝のタイトルをかっさらったあと、本来ならば宮崎でのフェニックス・リーグがドラフトに向けて最後のアピールの場となるはずだった。だが、そこに参加することはついぞなかった。又吉が言う。
「監督(香川・西田真二監督)が『もうええ。フェニックスは投げんでも良かろう。これだけ注目されとったら』って。監督が言うんだったら、そうなんだろうなと思って」
先輩たちがこれまでどうしても越えられなかった高い壁を、前代未聞とも言える活躍の数々とともに軽々と越えて行った。リーグ9年目にして誕生したドラフト上位指名選手には“即戦力”としての大きな期待がかかる。
「正岡さん、喜ばせよ!1年目、7勝くらいせぇ!」
報道陣が待っている囲み取材のスペースへと向かう又吉の背中に、西田監督が大きな声でハッパを掛けた。