徳島・谷田、クラウドファンディングで募金も…ラストチャンスにかける
【徳島・谷田成吾外野手】文=高田博史
谷田成吾にとって、最高の試合になったのではないか。みやざきフェニックス・リーグ第8戦、対西武戦(10月16日、南郷)に、野球人生最後の試合のつもりで臨んだ。
ドラフト指名されなければ、今年限りで野球を辞める。そう明言している。
第1打席、西武先発・高木勇人から右中間を破る三塁打を放ち、先制点への足掛かりを作る。さらに五回裏、バックスクリーン右へ今大会2号となるソロ本塁打をたたき込んだ。
守備でも魅せる。七回表1死三塁、左翼から本塁へバックホームし、三塁走者の生還を阻止した。試合には4対8で敗れたが、自身のプレースタイルを貫いた。
「もう終わったかって感じです。人生最後の打席かもしれない。打てて良かったです」
徳島への入団発表(5月2日)の2カ月前、3月に渡米したときから最後の挑戦は始まっていた。あれをやっておけば良かった、などと思い残すことのないよう、野球をやり切ろう。駆け抜けた7カ月間に、後悔は何ひとつない。
「メジャー9球団に見てもらえた。4球団はキャンプ地まで行って、GMまで来てくれてテストしてくれたので。そこに対しての悔いはないです」
230万円もの募金をクラウドファンディングで集めながら、なぜたった2カ月で帰って来たのか、と批判を浴びた。
だが、募金は代理人への手数料や渡航費、通訳雇用料、球場レンタル料などで使い果たしている。それどころか赤字まで出した。
使途は募金者にすべて報告してある。徳島での成績や最後のアピールのため宮崎に向かうことまで、全部伝え続けてきた。
「自分でも客観的に見られているつもりですし、どれぐらいの確率で自分が呼ばれるのかってことも理解しています。その確率が高くないことはしっかり理解したうえで、今年1年、特に後期はやっていました。このフェニックスも一発逆転狙いだったので」
すべてやり切った。あとはもう評価してもらうだけ。どんな結果も受け止める覚悟で、ドラフト当日を待つ。
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