2013年重大ニュース【前編】
2013年前期優勝争いの天王山となったのは、6月22日である。5月終了時まで3位に沈んでいた香川が、32試合目に首位を奪取。高知を除く“3強”がラストスパートをかける中、香川対高知前12回戦(レクザム)は行われた。
この試合の注目点はもう1つあった。ここまで6勝を挙げている香川・又吉克樹と、高知のエース・井川博文、両サイドスローの投げ合いである。優勝争いのカギを握る大一番は、予想を上回る投手戦となった。
140キロ台中盤まで球速を上げ、又吉は五回まで毎回の9奪三振を奪う。リーグトップの78奪三振を記録している井川も、1安打に封じ込めて前半を終えた。八回表2死、又吉に完全試合達成への期待が高まる中、24人目の打者、曽我翔太朗の打球が二遊間に飛ぶ。追いついた遊撃手、涌嶋大希がファンブルし、スコアボードに「H」のランプが灯る。リーグ初の記録達成は夢と消えた。
「外のスライダーを引っ掛けさせて、あそこに飛ばさせました。ワクさんもそれまできっちり守ってくれてたし、自分にあれ以上できることはなかった」(又吉)
9回1安打でマウンドを降りた又吉の好投を救ったのは九回裏、先頭の5番・島袋翔伍のひと振りだった。劇的な右翼へのサヨナラ本塁打で、香川に「M1」が灯る。散発3安打、7奪三振の好投もむなしく、井川はたった1球に泣いた。翌日、愛媛・大洲で決定する前期優勝に王手が掛かった瞬間だった。
バックネット裏に陣取るスカウトの中には中日・正岡スカウトの姿もあった。又吉のドラフト2位指名後「最も印象に残った試合」として挙げたのが、この日の106球、11三振を奪った無四球完封試合である。
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