香川・大木 悲願のドラフト待つ2冠王
【香川・大木貴将内野手】
運命のドラフト会議まで、あと3日となった。大木貴将は『みやざきフェニックス★リーグ』で最後のアピールを終え、19日、高松への帰路に就く。
今リーグでの成績は35打数14安打と、打率・400を残している(16日現在)。
「去年のフェニックスは自分がどれくらいできるのか、同い年の選手と比べてどのくらいできるのかを見に来たって言ってたんですけど。今年は自分がそのなかに入って、やっていけるかというのを確かめに来ました。去年とは全然違う考えで来ました」
自分はNPBで勝負できる選手になったか。その最終確認である。もちろん、納得してフェニックス・リーグを戦い終えている。
今年は飛躍の年となった。昨年の・244を大きく上回る打率・327を残し、盗塁数も2位に20個以上差を付ける43個と、堂々の2冠に輝いている。
フェニックス・リーグでも進化を止めていない。さらに上のレベルの投手に対して自分の打撃が通用するのか。対西武戦(12日、南郷)でいい感触をつかんだ1打があった。
「センターの右に、結構いい回転のライナーがバーン!と飛んで。『あ、この感じかな』って。ボールとバットが噛(か)んだ感じというか」
今年、大きく成長した最大の理由は「考えて練習するようになった」ことだと話す。昨年のシーズン終了後、秋季練習中に頭を切り替えた。
「監督(香川・西田真二監督)も『自分で考えて練習せえ!』ってよく言うんですけど、その通りだなと思って。どういう意味でやるのかが分かっているのといないのとじゃ、どれだけ成長するかも変わってくる」
あのとき、もっと思い切りやれば良かった。そんなふうにだけは思いたくない。とりあえず、今年1年「やり切った」と言える。
スーツ姿で指名の瞬間を待つ。いまは毎晩、眠りに就くころになると襲ってくる不安と戦っている。
「でも、そういうところまで来られたっていうのは幸せですよね」
さあ、あとは名前が呼ばれるのを待つだけ-。