香川・畝 広島コーチの父の言葉を胸にローテ守るルーキー
【香川・畝章真投手】文=高田博史
前期優勝決定直前の5月30日、香川に「M3」が点灯するなか、畝章真が対愛媛前期9回戦(レクザムBP丸亀)のマウンドに登った。いきなり先頭打者にランニング・ホームランを許すなど3本の本塁打を浴びたが、6回を投げ抜き4勝目を手にしている。
「気合入れて行ったんですけど『あれれ?』っていう感じで。そのあと、しっかり投げられました。1点取ってもらったあとに2点取られた。そこはやっぱり反省かなと思います」
6号2ランを浴びた愛媛の5番・ペレス(元阪神/ドミニカ共和国)に対し、次の打席では緩い変化球をうまく使い三振に切って取った。考えながら攻める。持ち味の緩急を使った投球ができ始めている。
ハーラートップの5勝で並ぶ石田哲也、秀伍と共に先発ローテを守る。ルーキーで4勝を挙げているのは4球団中、畝ただ1人だ(2日終了時)。チーム内での競争も常に意識する。
「そのとき、そのときでモチベーションを持って。最初は秀伍さんと勝ちとか防御率を争ったり、奪三振も争ってたり。いまはチームのためにって感じで」
大学へのトライアウトを前に、内野手から投手に転向した。サイドスローにした2年生後半から結果が出始め、4年生だった昨年は主力として投げていた。
ここじゃ終われない。もっと野球がやりたい。父は広島・畝龍実投手コーチである。「自分が成長できて野球がやりたいなら、やりゃあいい」と、四国に行くことを勧めてくれた。
登板した日の夜は、必ず父に電話する。どんなイメージ、どんな意識で投げたのかを話し合い、確認する。
父は大学時代、なかなかチャンスが巡って来なかった。たまたま投げた社会人チームとの試合で好投し、社会人野球、プロへと道がつながった。
「お父さんから『結果が出なくても一つのきっかけで変われるから、やれると思うんだったらやってみろ』って言われたのは、自分のなかで響いてますね。『自分が諦めなければ何かのきっかけで変われるから』って」
父の言葉を胸に秘め、マウンドに登っている。
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