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京都大・山中教授にノーベル賞

2012年10月9日

 野田佳彦首相から祝福の電話を受ける山中伸弥教授(右)

 野田佳彦首相から祝福の電話を受ける山中伸弥教授(右)

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 連絡を受け、自身も家族もぼうぜんとしたという。「80歳を超えた母に報告できたことが本当に良かった」と喜びをかみしめた。

 受賞については「過去の業績というよりはこれからの発展に対する期待の意味が大きいと感じている」と話した。iPS細胞はまだ新しい技術であると強調した上で「本当の意味で医学応用を実現させたい」と力を込めた。

 日本人の受賞は2年ぶり19人目。医学生理学賞は25年ぶり2人目となった。同時受賞は、「クローンカエル」を実現した英ケンブリッジ大のジョン・ガードン名誉教授(79)。

 山中教授は、マウスの皮膚細胞に4種類の遺伝子を組み込むと、さまざまな組織の細胞になる能力を持った万能細胞に戻せることを世界で初めて発見。iPS細胞と名付け、2006年に発表した。

 研究の評価が確立してから授与されることが多い自然科学系のノーベル賞では、開発から6年というスピード受賞となった。世界の研究の流れを一変させたインパクトの大きさを高く評価したとみられる。

 ノーベル賞を創設したアルフレド・ノーベルの遺言では「前年に人類に最も貢献した人」が対象。だが実際には受賞まで数十年ということも珍しくなく、08年に物理学賞を受賞した南部陽一郎・米シカゴ大名誉教授は半世紀前の理論。化学賞の下村脩・米ボストン大名誉教授がクラゲから蛍光タンパク質を発見したのも40年以上前だった。

 授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金800万クローナ(約9400万円)が2人に贈られる。

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