「外国人いた!」地方での忘れられない“セレブ体験”
「ニッポン愛&Sarah、s eye=第5回」
ゴールデンウィークですが、5月の第1週、私は仕事で金沢におります。「ジャパン・レールウェイ・ジャーナル」(NHKワールドTV)で金沢の観光列車のレポートをさせていただき、その後は3日間「ベートーヴェンが金沢にやってきた!」という音楽祭の司会者を務めさせていただきます。
金沢は今年1月にオペラ「蝶々夫人」の公演で初めて行って、今回が人生2度目です。外国人の方も多くいらして、都会の利便性がありつつ、兼六園の緑や茶屋街の江戸風情もあって、住みやすい印象がある魅力的な場所ですね。海外から見ると日本は東京など都会のイメージがありますが、最近は田舎の方も紹介されるようになり、日本の地方も注目されています。
私は学生時代にホームステイで島根県に住んだことがありました。早大に留学中の冬休みに、東京だけではなく、いろんな日本を経験したいという選択肢から島根を選んで、都心とは全く違った生活が経験できました。
住んでいたのは雲南市。松江市から車で30~40分くらいのところです。山奥で周りに人がいなくて、朝起きて家の扉を開けたらイノシシさんや熊さんが外で待っていて「おはようございます」という感じの所。町に行って、おばあさまたちに“大根お届けサービス”をやったり、いい意味で、東京とは全く違う経験ができました。
島根では4週間、いろんな学校を巡って英語の先生をやったり、米国の文化を紹介したりしたんですが、毎日、バスに乗ったんですね。東京では外国人がじろじろ見られることはないですけど、島根ではバスの中でみんなが振り返って、じぃ~っと私を見てるんです。そのまんま隠そうともしないんですよ。
私も「はい、金髪です(笑)」って感じでいたら、大声で「外国人いた!」と叫ぶ声もあって、「あの…日本語分かりますけど」って言いたかったですね(笑)。また、「サインしてください」と言われたこともありました。当時は普通の学生でしたが、島根では即、セレブになりますね。あと、小学生と友達になった翌日、その子が友達を呼んで「この外国人さぁ、私の友達なんだぁ」って自慢してくれたり(笑)。
今でも島根のホストファミリーや市役所の方とはコミュニケーションを取っていて、オペラ公演では東京まで見に来てくださいました。「よさこい」のある高知県と並び、私にとって島根は第2、第3のふるさとです。
◆サラ・マクドナルド(Sarah Macdonald)1990年8月12日、米マサチューセッツ州生まれの26歳。14年にNHK連続テレビ小説「花子とアン」でデビュー。女優としてドラマ、舞台、バラエティー番組など幅広く活躍中。
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