米国でバブル世代VSミレニアルズ~今の若者は不動産より断捨離
「ニッポン愛&Sarah、s eye=第12回」
日本では1980年代後半にバブル景気がありました。主に60年代生まれである当時の若い女性のファッションやライフスタイルが、その子供世代である今の若い人たちの一部には新鮮に写るのか、不思議と注目されているみたいです。
米国でもバブル世代と今の若者との間には大きなギャップがあります。ベビーブームの60年代に生まれてバブル時代に育ち、今では社会のトップに立っている人たちがいて、その子供たちは「ミレニアルズ」と呼ばれる、日本で言うところの“ゆとり世代”。私もそうなんですけど、その世代間の意識の違いが米国の社会問題になってるんです。
ベビーブーム世代は「なんで(不動産の)物件買わないの?」などとミレニアルズを責めるんですけど、今の環境では買えないと分かってもらえないんですよ。父の同世代には、大学に通いながらスーパーでバイトして30代になると家を買って子どもを3人も支えてという人がいましたが、今は難しいのです。
米国人は自立心が強いので、いつまでたっても実家暮らしという、その無力さに苦しんでいる人は結構いると思います。それなのに一世代前の人たちは大変さを理解できないという複雑な状況なんですね。私の両親の時代には妻が専業主婦で、夫だけの給料で物件を買って家族を養うのは可能だったんですけど、今は1人で支えられるどころか、ディンクス(※共働きで子供を持たない夫婦)でも生活に困る人がほとんどですので。
「あの時代がよかった」ってベビーブーム生まれの人が昔の話をするんですが、今の若者はその時代の生活を経験したことがないですし、現状に必死過ぎて憧れる余裕がないというか(笑)。
現在の経済環境の影響なのか、今の米国の若い人たちには「ミニマリズム」がはやってるんですね。ものに執着せず、質素で機能性を重視したシンプルな生活です。余計なものを捨てる「断捨離」がはやり、「MUJI」(無印良品)の店が海外にできたりとか。米国に住んでいる友達が日本のものを家に置くようになったり、遠く離れても意外と繋がるんですね。
◆サラ・マクドナルド(Sarah Macdonald)1990年8月12日、米マサチューセッツ州生まれの26歳。14年にNHK連続テレビ小説「花子とアン」でデビュー。女優としてドラマや舞台のほか、情報番組などでも活躍中。
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