【選手権100回大会企画19】石川の高校野球

 石川県の高校野球は、星稜を中心に回ってきた。1972年の第54回大会で初出場。2度目の出場となった76年の第58回大会では、2年生エース・小松辰雄(元中日)が大車輪の活躍を見せて、石川県勢として初の準決勝へ進出した。

 その後は8強が遠かった。79年の第61回大会3回戦では、箕島と球史に残る激闘を展開。エース・堅田外司昭が力投したが、1点を奪うと、同点に追い付かれる展開で延長戦へ。引き分け再試合目前の延長18回にサヨナラ負けを喫した。

 しかし、10回目の出場となった91年の第73回大会で、流れが変わる。2年生スラッガー・松井秀喜(元巨人など)を中心に2度目の4強へ進んだ。

 松井は3回戦・竜ケ崎一戦で甲子園初アーチとなる特大の2ラン。準決勝で大阪桐蔭に敗れたが、スケールの大きな打撃で注目を集めた。翌92年の第74回大会にも出場。2回戦・明徳義塾では5打席連続敬遠され、社会問題にもなった。

 95年の第77回大会では、深紅の優勝旗に最も近づいた。エース・山本省吾投手(元近鉄など)が全試合完投する活躍を見せ、県勢初の決勝へ進出。決勝は左足負傷の影響もあり、本来の力を出し切れず、帝京に敗れた。

 2014年の第96回大会では、石川大会決勝・小松大谷戦で、0-8の九回に逆転するミラクルを起こして甲子園に出場。その勢いのまま、1回戦静岡戦でも終盤に逆転勝ちを見せた。

 星稜に次ぐ出場回数を誇る金沢は、93年の第75回大会に2年生右腕・中野真博が出場。この大会は初戦敗退したが、中野は翌94年のセンバツ1回戦・江の川戦でセンバツ史上2人目の完全試合を達成した。

 11年の第93回大会では、大会屈指の右腕として注目を集めた釜田佳直投手(楽天)が出場。2回戦では聖光学院の歳内宏明(阪神)との投げ合いを制して、13回目の出場で同校初の2勝へ導いた。

 近年は新しい学校も台頭している。02年の第84回大会は創部2年目の遊学館が1、2年生だけで快進撃を見せた。左腕エース・小嶋達也投手(元阪神)が、3試合連続の2桁三振を奪う活躍を見せて8強へ進んだ。この年以降の16年で6回の甲子園へ出場。星稜、金沢に割って入る存在となった。

 日本航空石川は、09年の第91回大会で初出場した。初戦の2回戦・明桜戦は、延長12回にサヨナラ勝ち。石川大会決勝を含む2試合でサヨナラして勝ち上がった勝負強さを示した。

 石川県勢は21世紀に入って以降、夏の甲子園には星稜、金沢、遊学館、日本航空石川の4校しか出場していない。今夏は02年の遊学館以来16年ぶりの8強以上が最低目標となる。

 ◆石川県勢の夏の甲子園アラカルト

【出場回数ベスト5】

1位・星稜18回

2位・金沢13回

3位・遊学館6回

4位・金沢泉丘4回

4位・金沢桜丘4回

【勝利数ベスト5】

1位・星稜18勝

2位・金沢7勝

3位・遊学館6勝

4位・日本航空石川2勝

5位・石川師範、金沢泉丘、金沢桜丘1勝

【最高成績】

準優勝・星稜(1995年)

【通算成績】

95試合

36勝59敗

勝率・379

【主な監督】

 山下智茂…元星稜監督で、現星稜名誉監督。春夏通算25回の甲子園で22勝25敗。準優勝1回、4強が2回。

 山本雅弘…遊学館監督。2002年に同校を創部2年目で夏の甲子園へ導いて8強進出。春夏通算7回の甲子園に出場している。

 ◆デイリー独断!石川の高校を卒業したプロ野球選手ベストナイン

【投手】星稜・村田勝喜(元中日)

【中継ぎ】星稜・山本省吾(元ソフトバンク)

【抑え】星稜・小松辰雄(元中日)

【捕手】星稜・北野良栄(元ソフトバンク)

【一塁手】金沢・大松尚逸(ヤクルト)

【二塁手】金沢・高須洋介(元楽天)

【三塁手】金沢西・谷内亮太(ヤクルト)

【遊撃手】星稜・湯上谷宏(元ダイエー)

【外野手】

星稜・村松有人(元ソフトバンク)、星稜・松井秀喜(元レイズ)、日本航空石川・角中勝也(ロッテ)

【指名打者】星稜・音重鎮(元中日)

(ポジションはプロでの登録守備位置、所属は現役の最終所属)

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