「ＮＨＫマイルＣ・Ｇ１」（６日、東京）

　最後の直線の攻防に沸く東京競馬場が凍りついた。２番人気に推されたマウントシャスタは馬群に包まれていたが、前があいた瞬間に岩田が右ムチを連打してゲキを飛ばした。だが馬は左に大きくよれて、斜め後方にいたシゲルスダチに激突。落馬して投げ出された後藤がターフの上をゴロゴロと転がると、歓声は悲鳴へと変わった。

　その後もジリジリとしか伸びなかったマウントシャスタは６位に入線したが、内斜行により失格処分に。岩田は１２日から２０日まで開催４日間の騎乗停止処分を受け、ヴィクトリアマイルのマルセリーナだけでなく、オークスで２冠を狙う桜花賞馬ジェンティルドンナに乗れなくなった。

　失意の岩田は、がっくりと肩を落として検量室へ。「あまりテンションが上がり過ぎないようにかわいがって乗った。直線で前があいたけど、ジワジワとしか伸びなかったので前に入れなかった。ほかの馬に迷惑をかけてしまって申し訳ない」とうなだれた。

　賞金を加算できなかったマウントシャスタだが、池江師は「ダービーには登録する」と明言。競馬の祭典で汚名返上の機会をうかがう。